2006年10月30日(月)、新響楽器西宮北口店OPUSに於いて、林苑子先生による「基礎」からはじめる音楽表現の指導法の講座が開催されました。
様々な曲のイメージを表現するために、身につけたいテクニックの指導方法と練習方法を、ピティナ・ピアノステップの課題曲の演奏を交えながら、解説して頂きました。
まず、導入時の音楽表現についてからお話頂いたのですが、普段生活している中で、音というのは色々な音が聞こえて来るのが当たり前で、音を聴くという事に鈍くなっている人が非常に多いです。ピアノを演奏するのに、音をよく聴くという事はとても大切な事で、その事を子供に意識させる必要があるそうです。例えば、先生がピアノで一音鳴らし、「音が聞こえなくなったら教えてね」と言う時でも、ピアノを弾いている横で見ていて答えるのと、少し離れた所で見ないで答えるのでは、聴くという事の意識が全然違うそうです。また、ピアノがどのようにして音が鳴っているのかということも、実際弦を触ったりして、ピアノの構造を説明してあげると、子供はとても興味を持つ、との事に納得しました。
次に、ピアノを弾く時の正しい姿勢や手首の使い方、呼吸法なども詳しく教えて下さいました。とても印象的だったのは、なかなか指がしっかりしない子が多いが、基礎の時から親指は指の付け根から動かす様に指導する事で、2,3,4の指も発達ししっかりした手が作られる、という事でした。輪ゴムを1と2の指にかけ、動かす運動なども教えて下さり、是非レッスンでも活用してみよう、という声が多く聞かれました。
レッスンでは、どうしても音の間違えや強弱の注意に偏りがちですが、自分の手を観察させ、先生の手と比べたり、生徒が弾いている曲や、また違う曲でも、先生が弾いてあげる事は生徒にとってとても大切だ、という事を感じました。
子供はどんな才能を持っているか分かりません。いかに、大切な事をその子にあったペースで確実に身につけてあげるか、が指導者として非常に大切な事で、その為にはどのようなレッスンをしたら良いか、心構えをしてからレッスンに望む様心がけたい、と思いました。
また、ピティナ・ピアノステップの説明も丁寧にして下さり、ステップに参加する事は生徒の経験になるだけでなく、先生の勉強にもなります。ご受講された方にも、これから是非ピティナ・ピアノステップに参加させたい、という声がたくさん聞かれました。
今回林先生の講座を受講させて頂き、是非活用してみたい指導法がたくさんあり、本当に勉強になりました。また、生徒が楽しく練習できる方法やペダルの使い方などを題材に、講座をして頂けたら、有難く思います。(Report:西宮連絡所 竹内亜紀)