9月22日、岡山・倉敷にて江崎光世先生によるピアノ指導基礎講座、3回シリーズの3回目「ピアノ連弾が育てるソロ演奏への効果」が開催されました。
まず連弾をするには、おもしろそう、やってみたいという気持ちを持たせることが大切とおっしゃいました。見せていただいたビデオには楽しそうに連弾をしたり、小編成の室内楽や、オーケストラと競演する子供たちの姿が次々映し出され、その成長過程とともに、とても興味深く拝見しました。
また連弾曲は、プリモが旋律、セコンドは伴奏、という横割りの曲、プリモとセコンドに旋律が交互にくる縦割りの曲、プリモとセコンドが同時に旋律を弾く曲、最後に今年の上級課題曲にもなったフーガのような対位法の曲、というふうに分類されるので、それに沿って発展させていけばいいとのことです。
講座は、実際に「ステップアップ ピアノ連弾2」の教材を使って、公開レッスンのような形で行われました。各パートの役割を理解することが重要で、どのくらいの強さで・どのタッチを使うか・どのように歌うか、などを考えて、美しい響きを作り出さねばなりません。伴奏を受け持っているはずのパート(セコンドの右手が多い)が、「あなたはソロ?」と言われるくらい音が出てしまった時は、場内の雰囲気がなごやかになりました。連弾での演奏は、強い指をやさしく弾く、弱い指をしっかり弾く、といった指のコントロールの練習にもなります。連弾をすることでタッチの種類が増え、音色の豊かさや音の広がりが実感でき、それがそのままソロの演奏に結びつくのです。また、コンクールの前は衣装の相談をしたり、お互いの家に泊まって絆を深めたりする、といった楽しい裏話を聞くことができました。最後に、ピアノ曲を室内楽等にアレンジして、エレクトーンや管・弦楽器とのアンサンブルを楽しむことも、すばらしい経験として心に残るというお話もありました。(Report:阿部裕子・平井礼子)