富士山のふもと静岡県富士市 ラ・ホール富士において7月3日(月)に江崎光世先生による、「生き生きした表現をめざして~「ブルグミュラー25の練習曲」を使って ~が開催されました。
まず、具体的なブルグミュラーの教材に入る前に、先生のこれまでのレスナーとしての思いをお話くださいました。「子どもに音楽好きになってほしい」という思い。しかしながら、今だけが楽しいということに焦点を絞ってしまうと本当の意味での音楽好きからずれてしまう恐れがあるので、子どもの長い将来(20年先)を見据えたレッスンを展開する必要がある、という先生の40年以上にわたるご経験豊かなお言葉には説得力がありました。
ピアノをやってきて良かったと思わせるもの。そのためには何が必要か?
それは聴く耳を作ってあげること。そのためには、よいものを聞かせる・音楽会に連れて行く・CDを聞かせる・CDを貸し出しして聞かせる・生徒同士の演奏を聴き合うことにより感想を書かせる・等々。
先生のお宅には1700枚以上のCDがおありで、1曲に対して複数の演奏者の演奏を聞かせる。同じ演奏をする演奏者はいないので、聴き比べすることにより、耳作りにもなる。
そして、アンサンブルの重要性。生徒さんのビデオを見せていただきながら、決して難しい曲でなくても合わせるという意味。楽しさ・音作り・表現・全てがプラスに作用することにも納得でした。アンサンブルにより自分の音のみならず、相手の音を聴ける音色を作れる生徒を生み出す。レッスンの前後の生徒がペアになり始め、小さいうちから、一人では経験することが出来ないメロディー・ハーモニー・外声・内声・リズム等をアンサンブルをすることにより、自然に身につけていくことができる。
ブルグミュラーは、標題音楽なのでその曲のイメージを膨らませることが大事。でもそのためにはそこまでにテクニックも必要である。あまり小さな生徒さんに無理して弾かせる事はない。小学4年生くらいが妥当な年齢ではないか、とのお話でした。
時代の変化とともに、様々な生徒への対応が迫られている現在、レスナーに必要な引き出し作りの蓄積のための勉強に終わりはなく、常に前向きに歩んでいくレスナーの一人でありたいと思うセミナーでした。
そして、当富士ステーションでは今年11月3日にステップが開催されますが、今年は初の試みとして、アンサンブルを取り入れてみようと心に誓ったセミナーでもありました。
(Report:富士ステーション 福沢眞理子)
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