5月29日(月)、ヤマハミュージック神戸にて、佐々木恵子先生をお招きし「脱力奏法から美しい音へのアプローチ」という題で講座を開催いたしました。コンニャク体操の説明から始まり、実際に先生が体操をしましたが、大変面白く「演奏前は体を十分に弛緩させ、その瞬間に緊張する瞬発力が大事」という事でした。次は手の形で、様々な手の要因に対して、テーピングで補強する方法や消しゴムなどを利用する方法をご紹介くださり、ハノンを使い打鍵のスピードや、トントン弾きの直し方などから、「響き」にお話しが進みました。
3種類のstaccato奏法の組み合わせを曲の中から引用し、legato奏法については「響きの連続、響きで語らなければいけない。そして、無駄な動作で歌っているつもりになってはいないか、1音1音の響きが歌ってなければ」と。現場では、弾かせることに懸命で、違いを聴き取れない子が増えていて、こちらがその点を指導すると嫌になる子もいます。先生の所もそういう経験があるそうです。「最近は、木を見て森を見ない。先ず森を見る」というお話も、納得です。「何事も音で語る」というように先生は何度も弾いて、違いを教えてくださいました。迫力のある素晴らしい演奏で、最後まで聞きたかったです。その後の質問コーナーでは、指の形など、現場の悩みが続き時間を超えて答えてくださいました。
今回はステップのアドバイザーも務めてからの講座でしたが、マイクなしのとても力強い元気な声で、先生の体操あり演奏ありのパワー溢れるお話しに70名の受講者全体が惹き込まれていきました。どんな時も先生は、諦めることなく工夫を凝らし、試行錯誤されている事等、とても興味深く、又、皆が爆笑するところ等が随処にあり、楽しく勉強できた2時間。是非、また試行錯誤された続編を聞きたいな、と思いました。(Report: 井上登与美)
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