4/25（月）、神戸元町ヤマハホールに於いて、「楽しくなければ続かない！やれば出来る！！～石井なをみ先生のマル秘スーパーレッスン術～」というテーマの講座が開催されました。石井先生は県立西宮高校で教鞭をとられる傍ら、数々のコンクールにも優秀な生徒さんを輩出されていらっしゃるので、近隣の方々は勿論、遠方のよりも大勢の方々が聞きに来られ、92名もの受講者となりました。
　石井先生の留学時のお話をふまえながら、日本と外国のレッスンの違い等、大変興味深いお話から始まり、メカニックとテクニック、脱力と６つの関節の使い分けと音色、時代のスタイルによる弾き分け方などを分かりやすく説明してくださいました。また、レッスンではテクニック的なレッスンと共に、メンタル面での生徒とのコミュニケーションを重要視されるとの事。それも皆に同じやり方を指示されるのではなく、一人一人の個性に合わせたレッスン方法が最も重要とのお話に皆が引き込まれました。「こうあるべきという教え方は好きじゃないの。一つの山に登るのに、色んなタイプの人間がいるからどの登り方でも構わない。最後に頂点に立てればいいのよ」との力強いお言葉に皆が大きく頷き、懐の深い石井先生のレッスンを垣間見せていただいたような気がしました。やる気が出るレッスンは、私達が一方通行に教えるだけでなく、ディスカッションを重ね、共に作り上げていく過程の中で生徒の意識を変えていくものでした。与えられた音楽ではなく、自分自身で探し、見つけ、納得し、工夫、表現することの楽しみを見出すことの大切さ。一人でも多くの生徒に自分で表現することの楽しさを知ってもらいたいとのお話に、教師としての真のあるべき姿を見せて頂いたような感銘を受けました。
　最後の質問コーナーでは、明るく気さくな先生ならではの自由な雰囲気に包まれ、活発な意見交換や質問等がくり広げられました。まるで会場全体が一つの輪でつながっているかの様な、なごやかで親しみ深い講座でした。是非第二弾も続けていただけますように！
（Report：岡田裕子）