【実施レポ】ポピュラー指導法セミナー Bコース

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2006/04/02

 「ピアノ指導者のための ポピュラー指導法セミナー」分科会Bコースは、ステップ課題曲選定委員でもいらっしゃる佐土原知子先生のお話と丹内真弓先生の模範演奏がメインで行われた。
 昨今ピアノレッスンの現場では、大人のレッスン希望者が増加傾向にあり「ポピュラー」のニーズは年々高まっている。またピアノを学ぶ子供達にとってもあらゆるジャンルの曲が弾けるようになる事は、音楽人生にとってもより多くの喜びを感じる事が出来ると考える。
 しかしクラシックを専門に勉強してきた指導者にとってポピュラーに対し戸惑う事も多々あり、その一番の悩みでもあるリズムの特徴と「ノリ」の部分に焦点を合わせたこのセミナーは待ちに待ったものである。

 何となく弾いて仕上げてしまわないためには、指導者側のスキルにかかってくる。
ポピュラーピアノ用の楽譜はアレンジされているという事を念頭に置き、まずは原曲を知ることが大切。
・楽譜に書かれていない、いわゆる「楽譜のスキ間」を読む。
・理屈より多くの曲を聴いて感覚をつかむ。
・ポピュラーならではの約束事を知っておく。
という話がまずあり、これらをふまえてBコースではステップ課題曲セミナーということで、ステップ課題曲をロック&ポップス、ジャズ、ラテンのジャンルに分け進められた。

【ロック&ポップス】
《ポイント》
・リズムは「アフター・ビート」(2,4拍目にアクセントがつく)が重要。
 テレビアニメなども参考に上げ、弾むだけではなく弾力がある演奏が求められる事。
・メロディーは、ビートを感じつつインテンポを分かった上で心地よく揺れる事。
 丹内先生によるピアニカの演奏では、息を入れながら歌う感覚をつかむにはとても有効である事がわかった。
・ハーモニーは、ポピュラーではコードネームで表記され、演奏や分析には必要不可欠。
 またベースラインにも歌があり、連弾をすることが有効である。

【ジャズ】
ラグタイム、ブルース、ディキシー、スウィング、バップ、フュージョンなど、ジャズの誕生とその変遷から最新情報まで提供して頂いた。ステップ展開3課題曲、カプースチン「24のプレリュードより第23番」では音に振り回されないためにコードの分析が重要。
その他4ビート、ジャズワルツ、5拍子など、リズムのノリをカッコよく演奏するためのコツなど詳しくレクチャー頂いた。

【ラテン】
ラテンパーカッションの特徴の説明が、リオのカーニバルの画像を交えながら始まる。
サンバ、ボサノバ、マンボ、カリプソ、タンゴなど発祥の地にポイントを置きながらテンポ良くレクチャーが進む。
その中でも、丹内先生の「ノリの良い演奏、悪い演奏」の比較はとても分かり易く、
上手く聴かせるためのコツ、休符の感じ方、打鍵、離鍵のコツ、タイをはずして練習すると良いなど、指導する上で役に立つノウハウを模範演奏を中心に教えて頂いた。

 セミナー最後にセッティングされたティーパーティーでは、多くの先生方が交流を深める場となり、スタッフの皆さんのお心遣いに温かいものを感じた。
 今回のセミナーでは原曲をたくさん知ることが出来て、アレンジされたピアノ曲を何となく思い込みで演奏していたことに冷や汗が出たが、今年のステップ課題曲の新曲に魅力的な曲がたくさん搭載されている事など、盛りだくさんの情報収集をして満足度は100パーセント!
そして何より、ポピュラーは高度な演奏技術を要するもので、決してクラシックからの逃げ道になるようなジャンルではない事を再認識し大阪に帰って来た。
(Report:石嶺尚江)


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