桐朋学園大学ピアノ科卒業。ハンガリー政府奨学金を得てリスト音楽院に留学。ハンガリー科学アカデミー・バルトーク資料館やバルトークが民謡採集活動を行った地を訪れ、バルトーク研究を行っている。バルトーク作品の楽譜校訂を始め、多数の執筆活動、バルトーク作品に関するレクチャー・コンサートを精力的に行っている。ピアノを田村明子、高柳朗子、ジュラ・キシュ、マリアン・アーブラハーム各氏に、バルトーク研究を末吉保雄、ラースロー・ショムファイ各氏に師事。鎌倉女子大学児童学部准教授。 著書『バルトークピアノ作品集1〜3』、『バルトーク子供のために1、2』、『バルトークミクロコスモス1〜6』(以上音楽之友社) CD「バルトーク ミクロコスモス1〜3」、「バルトーク ミクロコスモス4〜6」(以上クリエイティヴ・コア) |
子供のピアノ教育に情熱を持ち続けたバルトークのピアノ教育作品を概観。 ピアノ演奏、豊富な映像・音響資料をまじえ、民俗音楽の世界や多彩な作曲技法のエッセンスを解説します。
バルトークの《子供のために 1》で引用されたハンガリー民謡の旋律構造と構成要素、歌詞の内容と文化的背景、演奏法の特徴などをピアノ演奏や映像資料を交えて説明しながら演奏解釈を行い、《子供のために 1》の魅力の本質を探ります。
バルトーク≪子供のためにA≫に引用されているスロヴァキア民謡の旋律構造や歌詞の内容と文化的背景、演奏法の特徴などをピアノ演奏と映像資料を支えて演奏解釈を行う。
≪ルーマニア民謡舞曲≫≪ルーマニアのクリスマスの歌≫≪ソナチネ≫の3作品は、ハンガリー民謡とスロヴァキア民謡を編曲した≪子供のために≫の続編として作曲され、ルーマニア民族音楽の中に複雑な混合拍子やブルガリアのリズム、太古から伝承された興味深い歌詞などを見出し、すっかり魅了されました。本講座では、引用された音楽や舞曲の要素を説明しながら、ピアノ演奏や映像資料を交えて演奏解釈を行います。
バルトークは作曲家として活動し始めた当初から、ピアノ学習者のためにやさしい楽曲を作るという考えを抱き、ピアノ教育作品を320曲も書き上げました。なかでも50代になって書かれた≪ミクロコスモス≫は、彼が生涯に獲得した作曲技法の総合体です。本講座では、≪ミクロコスモス≫1〜3巻の各曲にこめられた多彩な魅力・楽しさをピアノ演奏やスライドを交えながら解説し、レッスンに≪ミクロコスモス≫を導入する方法について考えます。子供の耳を育て、感覚を開くために、バルトークの施した様々な工夫-響きの面白さやリズムの喜び、ソルフェージュ教材としての可能性など、バルトークが音楽教育にかけた情熱を感じ取ってください。