#13
多彩なタッチを身に付ける
応用レッスン
長谷川 淳先生

様々な音型の演奏解釈指導

 ある年齢に差し掛かると、ピアノの道に進むか否かの選択に迫られる生徒たち。そんなとき、「僕の方から“音楽の道に進みなさい”ということは、まずないですね。音楽の道が、どれだけ大変かを知っていますから」と、長谷川 淳先生はいう。先生ご自身、ピアノを始めたのは中学生のとき。周囲から反対をされながらも、ピアノの道に自らを突き動かしたのは、ショパンやベートーヴェンの魅力であり、音楽への感動だったという。「ピアノの世界の持つ何ともいえない魅力というものを、わからせることが、僕のいちばんやりたいことです。」
 よい音とは何かを求め、ピアノの仕組みや数々の名ピアニストの奏法の研究から編み出した、“正しいタッチ”の解説は、感覚的に学んできたことに理論的な理解を与え、奏法の奥深さを気付かせてくれた。
 11月28日、そんな長谷川先生のレッスンを一目みたいと、完成間もない愛知県豊橋市のレッスン室に、多くの先生が集まった。「この音型は、たとえばこの曲でも……」 「このタッチは、この曲のこの部分でも使える」など、様々な楽曲を引用しながらの説明、見本演奏が、印象的なレッスンだった。

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profile
愛知県立芸大ピアノ科卒業、ミュンヘン音大卒業。林秀光、K.シルデの諸氏に師事。帰国直後よりリサイタルやピアノコンチェルトなど数多くの演奏会に出演。指導者としても精力的に活動する。11年連続でピティナ指導者賞受賞。また全国決勝大会では門下生がほぼ全部門にわたり金銀銅賞など上位入賞を度々果たす。全日本学生音楽コンクール全国大会第1位、[夢コン]グランプリ、2009年ショパコンin Asiaアジア大会へは最多の12名が進出、うち金銀銅を含む10名が入賞をするなど多くの指導歴を有する。現在、金城学院大学ピアノ講師。