ある年齢に差し掛かると、ピアノの道に進むか否かの選択に迫られる生徒たち。そんなとき、「僕の方から“音楽の道に進みなさい”ということは、まずないですね。音楽の道が、どれだけ大変かを知っていますから」と、長谷川 淳先生はいう。先生ご自身、ピアノを始めたのは中学生のとき。周囲から反対をされながらも、ピアノの道に自らを突き動かしたのは、ショパンやベートーヴェンの魅力であり、音楽への感動だったという。「ピアノの世界の持つ何ともいえない魅力というものを、わからせることが、僕のいちばんやりたいことです。」
よい音とは何かを求め、ピアノの仕組みや数々の名ピアニストの奏法の研究から編み出した、“正しいタッチ”の解説は、感覚的に学んできたことに理論的な理解を与え、奏法の奥深さを気付かせてくれた。
11月28日、そんな長谷川先生のレッスンを一目みたいと、完成間もない愛知県豊橋市のレッスン室に、多くの先生が集まった。「この音型は、たとえばこの曲でも……」 「このタッチは、この曲のこの部分でも使える」など、様々な楽曲を引用しながらの説明、見本演奏が、印象的なレッスンだった。
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