【ピアノを習うとどうなるの?】人生で必要な「本番力」の訓練~ピアノで鍛える見えない学力
大事な場面で自分の持つ力を存分に発揮できる「本番力」。自分の子どもや生徒には、本番力を備えて、豊かで自分の望みの叶う人生を送って欲しいと願う方も多いのではないでしょうか。では、どのようにすれば本番力は身に付くのか?石黒加須美先生のお話を一部ご紹介いたします。(『音楽を感じる心を育てる「幼児期の能力開発・正しいピアノの早期教育」』セミナーより:協力/伊藤楽器イトウミュージックサロン船橋)
学力には、計算ができる、漢字が読めると言った、テストの点数で表すことのできる「見える学力」と、協力性、集中力、表現力といった人間力とも言うべき「見えない学力」があります。小学校低学年の内は、基礎的な内容が多く、テストで点が取りやすいものですが、小学4年生頃からは、学ぶ内容がより複雑になってきますので、成績を上げるためには「見えない学力」が必要になってきます。見える学力=点数の取り方は、塾に通えばそのやり方を教えてくれますが、そこに自ら学ぶ力が備わっていないと、あまり効果が見られないでしょう。
その見えない学力の鍛え方は、実はピアノのレッスンの中に詰まっています。ピアノを弾くには、楽譜を見る、考える、イメージを膨らませる、音を聴く、指を動かす・・・といった様々な力が必要です。それだけでも目、頭、耳、手を使った複合的な力の訓練ができますが、さらにピアノで発表会やコンクール等のステージ経験をすることは、それらの力をより深いところで鍛えることができる他、ある目標に向かって練習計画を立てる「計画力」や、日頃の練習の成果を大事な場面で発揮できる「本番力」を養う絶好の機会となるでしょう。
ピアノのレッスンを受けながら、発表会やコンクール等のステージ経験を積むことは、何度も「計画」→「本番」という流れを繰り返すことができます。本番を何度も経験していると、時にはうまく成果の出せない時もあることでしょう。でも、そこで落ち込むことも、怒ることも必要ないのです。そういう失敗も含めた本番を繰り返していくことで、人生の中で「ここぞ!」という大きな節目の場面で、力を発揮できる本当の意味での「本番力」が鍛えられていくことと思います。
また、ステージの上でピアノを弾くということは、お客様からどのように見られているか、第三者の目を意識した「社会的な自我」を育てることにも役立つと思います。
見えない学力は、小学校に入学する前に家庭で身に付けておくべきだと考えています。そのためには、その年齢に応じた「経験」という土台をつくってあげることだと思います。では、何歳で、どのような経験をするのが良いのでしょうか?また、ピアノは何歳から習い始めると良いのでしょうか?