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第1回 理解力が深まった中学生だからこそ出来ること

2018/10/11
第1回
理解力が深まった中学生だからこそ出来ること
木村 響さん(奈良県/平城中学校1年)
D級本選奨励賞受賞・A1級から毎年継続参加/二本柳奈津子先生、柴田牧先生に師事

3月に課題曲発表がありましたが、3月は卒業式や、小学校で所属していた公式ドッジボールの卒団式の準備や3月最後の試合などが土日に目白押し、またピアノはステップにも参加していたので3月は考える間もなく、4月に改めて課題曲をしっかり見た感じでした。中学に入ると勉強が忙しく、両立できるか不安で、まだこの時点でもコンペに出るかは迷っていました。6歳上の姉が高3までコンペに出ていたことと、高校生の同教室の生徒さん(男子)と先生と話す機会があり、賞を取りたいから出る!という話を聞いて「自分も出る!」とレッスンの帰りに決めました。

長い時間の練習は無理なので練習するポイントを絞り、曲についての理解を深めるためにアナリーゼにも重点をおきました。
チマローザは、初めて演奏する作曲家でしたので、いつ頃、どんな一生を過ごし、どの国で生きてどんな曲を作ったのかを調べました。最終的に予選では、チマローザがイタリアの作曲家と言うことが、仕上げのポイントになりました。明るく、陽気、でもバロックなのでチェンバロの音も意識して、チェンバロの動画も参考にしました。そのあとに、ハイドン(古典派)について生きていた時代を調べると、チマローザとかぶる時期があり、まだ、バロックも残っている時代であることがわかり、これは本選でハイドンを弾く上でのタッチのヒントになりました。
音楽記号なども、作曲家のメッセージなので、コンペの期間を通じて、レッスンの前に自分で意味を調べる習慣をつけることで、先生のレッスンを効率よく受けることが出来たのではないかと思います。
でも、気をつけたのは、あまりにも細かく調べすぎないことでした。先生から先生の言葉で教えてもらって、その場で聞いて考えて覚えることも大事な部分があるのと、調べることが目当てではなかったので、そこから想像して弾く感性の部分は必要ではないかと思ったからです。

練習以外で苦労したところは、予選を受ける時期と、本選日との兼ね合いです。中間、期末テスト、クラブの試合の期間を外しながら、出たい本選の該当予選を決めることが大変で、ゴールデンウイーク中、色々考えて、その後 テストの日程がはっきりわかってから、ようやく参加日程を決めることができました。

中学生になってから、D級への参加を考えた時、C級と比べて一気に曲の難易度があがることと、D級からは本当にピアノが好きな人、音楽高校をめざして専門的に続けたいと考える上手な人が沢山いると思ったこと、勉強(塾)・クラブとうまく両立して練習が本番までに間に合うかということが不安で、予選は通過できないかもしれないと思っていました。しかし、結果的に予選を2箇所通過できて、2回目の予選は特別賞をもらえたことで、自信に繋がりました。最後まで自分を信じてと応援してくださった二本柳奈津子先生、フィンガートレーニングを教えてくださり本選にも応援に来てくださった柴田牧先生、ありがとうございました!いつも、両立していることを誉めてくださるので、クラブもピアノも頑張りたいと思うことができ、心強かったです。

限られた時間での練習は、理解力が深まった中学生だからできたことだと思います。先生の注意の意味がわかりやすくなり、曲の中の繋がりが小学生の時よりも明確に理解できるようになりました。中学生になってコンペに参加することで、曲を深い部分で理解して弾くことを経験できたと思います。新たなスタートラインに立った気持ちで、今できることを精一杯頑張って、ピアノと向き合っていけたらと思っています。


ピティナ編集部
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