2006特級グランプリ、前山仁美さん登場
2007/10/21
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10番目(午後の部、最後から2番目)には、2006ピティナ特級グランプリの前山仁美さん(20歳)が登場。特級ファイナルでも着用した思い出のドレスで、自分の全力が出し切りたいという意志が伝わってきます。
曲目は、ショパンのソナタ第2番1,4楽章と、スクリャービンのソナタ第2番。スクリャービンは、カワイ表参道でのデビューリサイタル(2006年11月)など、いつも重要なところで弾いてきた、得意中の得意レパートリー。
ショパンの第一音から、こう弾きたい、こうありたいという強靭な意志がみなぎる、それまでの9人とはまったく異なる次元の表現を聞かせ、明らかに聴衆の間に「この小さな女の子は、何かやってくれる!」という期待が広がったことが分かりました。これまでのコンテスタントがピアノから引き出すことのできなかった、コクと潤いのある美しい音、音楽の進行に呼応する音色の変化も抜群です。
さらに驚かせたのが、スクリャービン。あたたかく神秘的な音色で、一気に夜の闇に聴衆を誘うと、遠近感、弱音のコントロール、間の取り方に十分な個性を聞かせ、終わってみると、今日はじめてのブラボーと、聴衆のどよめきにも似たため息がはっきりと聞かれました。
演奏後、他のコンテスタントでは見られなかった光景が。ロビーで聴衆1人ひとりが、前山さんにサインを求め、素晴らしい演奏のお礼を言い、「2次に進むに違いないわ!あなたの演奏を聞きにまた来るわね!」と激励を伝えます。
ピティナ編集部
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