ルイのピアノ生活

第92回 展覧会にて/エルガー:愛の挨拶

2010/01/29

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皆さんからのピアノ演奏のビデオを募集しています。
この連載「ルイのピアノ生活」の下の部分に新コーナーを設けて、毎回何人かの演奏ビデオを紹介したいと思います。 美しければ(!)どんな演奏でも大歓迎です。
※採用動画にはルイ先生からの一言コメントがつきます(編集部注)
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【投稿方法】
Youtubeのアカウントを作成してください。次はご自分のアカウントにビデオをアップしてください。
最後にはビデオへのリンクを以下のアドレスを送ってください。選ばれたビデオをこの連載上で公開して見られるようにします。ぜひ恥ずかしがらないで、たくさんのビデオを送って下さいね。お待ちしています!
応募先:soho*pianonet.jp (*を@に変えて下さい)
♪ 演奏
エルガー:愛の挨拶  動画 動画:(YouTubeへ)
 

ピアノを弾くのはとても楽しいですが、続けるのはなかなか大変な事です。弾きたい気持ちがある時はいいのですが、どうしても弾くことに集中できない日もあります。先週、まさにそんな日がありました。こんな時はまあとにかく家に居ないほうがいい・・気分転換のために外へ出掛けましょう!

残念ながら日本にはまだ少ない様ですが、ヨーロッパでは冬でも外のテラスに座って飲食できるところがたくさんあります。僕 の家から車で20分ぐらいの所に府中の森公園があってその中に府中市美術館があります。ここで言ったら少し恥ずかしいですが、この美術館へ行く理由は芸術鑑賞だけではなく、美術館の中のカフェ!このカフェにはテラス席もあって外で緑に囲まれてゆっくりしつつ、ちょっとしたランチやコーヒーを頂けるところです。外の席が空いていてラッキーでしたが・・ランチは売れ切れでした!そして周りにちょっと騒々しいお客さんがいて・・僕の気分は段々ダウン。コーヒー一杯でそそくさカフェを出て美術館を通り過ぎようとすると、展覧会のポスターが目に飛び込んで来ました。「ターナーから印象派へ。光の中の自然」・・僕はターナーやイギリスのロマン派の画家が大好きなのですが、まさか、この府中でそんな絵に出会えるのでしょうか・・だとしたらこんなにラッキーなことはない!とにかくすぐに入場券を買って、中に入りました。 

 

展覧会は想像以上に素晴らしかったです!ターナーや同じ時代の画家たちの描く自然・風景・静物・・・やっぱり芸術は人間の心を本当に癒してくれますね。そしてインスピレーションや生きる力を与えてくれます!絵を見ている内にその風景や雰囲気が心に響いてきて・・絵の色彩や動きに引き込まれて・・そこに飛び込んで絵の世界にワープしてしまいます。時にはある絵を見て、描かれた人物が何をしていて、どうしてそこに立っているのか、そうしてその服を着ているのか、色々考えさせてくれて、頭が、脳みそが少しずつ動くように感じます。

2時間ゆっくり色々な作品を見て美術館を出たら、ピアノを弾きたい気持ちになっているのに気がつきました!この展覧会はイギリスの作品が中心だったので、なにかイギリスの曲を弾きたいと思いました。考えてみると今までピアノソロのイギリスの曲をあまり弾く機会がありませんでした。でも、せっかくですからこの連載で今回の展覧会からインスピレーションを受けてイギリス作曲家の1曲を演奏したくて・・・、今回はエルガーの「愛の挨拶」を選びました。ヴァイオリンとピアノでよく弾かれる曲ですが、正直言ってどちらかというとあまり好みではありませんでした。しかし、練習し始めたら意外に興味深い曲ですっかり好きになってしまいました!エルガーは1867年-1934年の作曲家です。今回の演奏ビデオではエルガーが生きていた時代に描かれた作品の中から、展覧会で見て感激したイギリス画家の絵も紹介したいと思います。

2010年になって、きっとコンペに向かって頑張っている方が多いと思います。 確かに、コンクールような目標があると「やる気」がでます。自分のベストを出して完璧な演奏を目指す・・やる気を失わないためにコンクールを次から次へ回っている方もいるようです。達成感はすごく良い事ですが、でも目標がなくても・・何かに感動して・・その感動をピアノを使って表現する「楽しさ」の可能性も知ってほしいです。上手下手、結果の良し悪しとは関係なく・・ただ美しい音楽を聴いて「生きててよかった」と思えるのが一番幸せじゃないでしょうか?2010年はそのような年になると良いですね。「生きてよかった」と実感できる年。

それでは、また!

ルイ・レーリンク

- レッスンビデオ -
僕が弾く時に考えている事を少しでもビデオで皆にお伝えできればという思いから、 今回の曲は演奏の録画・録音と別に「レッスンビデオ」を作りました。 見ていただけると嬉しく思います。
レッスンビデオバナー
曲目:フロラン・シュミット 「子供たち」より第1曲「合唱団の子供たち」
投稿者:j2kt

とても素晴らしい演奏です!声部のバランスや和声感がとてもよかったです。
タッチがとても繊細でピアノから出る音色は上品で透明感があって本当に美しいです。
選んだテンポのお陰で曲に使われた教会旋法に永遠感が出て、少し神秘的に聴こえる演奏でした。
珍しい選曲も良かったです。またこのような曲をたくさん聴かせて下さい!

ルイ・レーリンク

オランダ出身。7歳からピアノを始め、15歳で音楽院入学。アムステルダム・スヴェーリンク音学院に於いてW・ブロンズ氏他に師事する。1996年音楽活動の為、日本に移住。「肩の凝らないクラシック」をモットーに各地で通常のコンサートから学校や施設のコンサート、香港等海外でも公演。九州交響楽団との共演、CD「ファイナルファンタジー・ピアノコレクションズ9」の演奏と楽譜監修を行うほか、CD「夢」をリリース。個人/公開レッスンや音楽講座を行い、ピアノ・音楽指導にも意欲的である。洗足学園音楽大学非常勤講師、洗足学園高等学校音楽科講師として、「演奏法」の授業 、演奏家を目指す生徒のための「特別演奏法」の授業、ピアノレッスンを受け持つ。

NHK/BSテレビ「ハローニッポン」、「出会い地球人」
TBSテレビ「ネイバリー」、TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」他出演。

ピアノ演奏法のページ : http://www.senzoku.pianonet.jp も作成中
演奏者のホームページ http://www.pianonet.jp

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