第89回 2つのピアノ/バッハ:インベンション第1・4・13番
皆さんからのピアノ演奏のビデオを募集しています。
この連載「ルイのピアノ生活」の下の部分に新コーナーを設けて、毎回何人かの演奏ビデオを紹介したいと思います。 美しければ(!)どんな演奏でも大歓迎です。 ※採用動画にはルイ先生からの一言コメントがつきます(編集部注) ♪ 投稿されたビデオはこちら |
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最後にはビデオへのリンクを以下のアドレスを送ってください。選ばれたビデオをこの連載上で公開して見られるようにします。ぜひ恥ずかしがらないで、たくさんのビデオを送って下さいね。お待ちしています!
応募先:soho*pianonet.jp (*を@に変えて下さい)
今回の録音はバッハのインベンション第1・4・13番です。
私は子どもの頃からバッハが大好きでインベンションをたくさん弾いていました。私にとってJ.S.バッハはとても「ロマンティック」な作曲家です。彼の音楽を弾きますと、悲しみや喜びなど人間が持っている様々な感情が音の中に聞こえます。
下行する短2度は人の涙、
上昇する減7度は人の苦しみ、
増4度の緊張感や、長3度の喜び。
ニ短調は死の深い悲しみ、
へ短調は疲れ、諦めている様子、
心が晴れてきたホ長調、
幻想的な世界を表す変イ長調・・・
ロマン派の作曲家たちと違って、バッハは自分自身の感情・気持ちをダイレクトに音楽で表す事はしませんでした。悲しい日に元気な曲を書いたりして、自分の心情やムードを音楽で表現する時代ではなかったのです。バッハの音楽はバッハ自身の感情表現ではなく、人間なら誰でも知っている悲しみや喜び、わたしたちの様々な気持ちの表現です。
バッハは良い音楽を聴けばより良い信者(=良い人間)になれると強く信じていました。彼は私達の心の為に音楽を書いてくれたのです!
「バッハはこう弾けば正確です。」日本の教育はフォーム・形を大事にする事が多いようです。でも、僕にとってバッハの一番の楽しみはフォームではなく、彼の音楽の中身です。人間の気持ちをドラマティックに見せてくれる音楽。そして曲に入った感情をうまく表すことができた時、聴いている人々の心が癒されたり、自分自身にも勇気をもらえる効果があって・・そこが楽しいです!
今回の3つのインベンションを2回録りました!1回はベーゼンドルファーで録音して・・もう1回はべヒシュタインで録りました。2台の違う音色・響きのピアノが表すバッハの世界は感情の部分も違って聴こえませんか。
皆さんはどのピアノ好きでしょうか?そしてどんなところが魅力でしょうか?YouTubeにコメントを投稿する事も出来ますので、是非聴いてみてください!
それでは、また!
ルイ・レーリンク
◆第26回:フォーレ:シシリエンヌ(2009年7月)
◆第25回:プロコフィエフ:ソナタ第4番 第2楽章(2009年6月)
◆第24回:バッハ:トッカータ ホ短調 BWV914(2009年5月)
◆第23回:モーツァルト:ソナタkv.533第2楽章(2009年4月)
◆第22回:バッハ=コルトー:Arioso(2009年4月)
オランダ出身。7歳からピアノを始め、15歳で音楽院入学。アムステルダム・スヴェーリンク音学院に於いてW・ブロンズ氏他に師事する。1996年音楽活動の為、日本に移住。「肩の凝らないクラシック」をモットーに各地で通常のコンサートから学校や施設のコンサート、香港等海外でも公演。九州交響楽団との共演、CD「ファイナルファンタジー・ピアノコレクションズ9」の演奏と楽譜監修を行うほか、CD「夢」をリリース。個人/公開レッスンや音楽講座を行い、ピアノ・音楽指導にも意欲的である。洗足学園音楽大学非常勤講師、洗足学園高等学校音楽科講師として、「演奏法」の授業 、演奏家を目指す生徒のための「特別演奏法」の授業、ピアノレッスンを受け持つ。
NHK/BSテレビ「ハローニッポン」、「出会い地球人」
TBSテレビ「ネイバリー」、TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」他出演。
ピアノ演奏法のページ : http://www.senzoku.pianonet.jp も作成中
演奏者のホームページ http://www.pianonet.jp