第86回 音楽日記/フォーレ:「シシリエンヌ」
新企画をスタートします!
皆さんからのピアノ演奏のビデオを募集します。 この連載「ルイのピアノ生活」の下の部分に新コーナーを設けて、毎回何人かの演奏ビデオを紹介したいと思います。 美しければ(!)どんな演奏でも大歓迎です。 初心者から上級者まで、子どもから年配の方まで、又発表会のビデオ、コンクールで撮ったビデオ、お子さんやお孫さんのビデオやもちろん自分で撮ったホームビデオでもOKです。音さえはっきり聴こえれば、どんな質のビデオでも大丈夫です。 ※採用動画にはルイ先生からの一言コメントがつきます(編集部注) |
Youtubeのアカウントを作成してください。次はご自分のアカウントにビデオをアップしてください。
最後にはビデオへのリンクを以下のアドレスを送ってください。選ばれたビデオをこの連載上で公開して見られるようにします。ぜひ恥ずかしがらないで、たくさんのビデオを送って下さいね。お待ちしています!
応募先:soho*pianonet.jp (*を@に変えて下さい)
この連載は2005年7月から始まりました・・・ということはもう4年になりますね!
ここまで続けられたのは皆さんの応援お陰です。心から感謝しています。
この4年間にビデオをたくさん撮りました。不思議なもので、撮影したそれぞれの演奏の1音1音をまだよく覚えています。その時の気分、外のお天気やピアノの状態、調律や音色やタッチなど・・・まるで昨日の事のようです。
それぞれのビデオの中に思い出がたくさん入っています。撮影した時、悲しかったことも、元気な時もありました。PTNAの本部の東音ホールで録音する時は、その後によく本部の方と一緒にランチを食べに行きますが、その時に何を食べたかもよく覚えています(笑)。
「あ?、もっとこう弾けば良かった!!」と時々思いますが、でも、その演奏がやっぱりその時の自分なのです。良し悪しは別にして、その時の自分の心にあった物、そのものの表現なのです。音を録った直後は色々判断したり反省をしたりしてしまいますが、少し時間置くと「上手下手」から離れて、演奏から出てくる「気持ち」が聴こえるようになります。
もう少し若い頃は演奏の質を上手・下手で評価していました。あの人の演奏は上手、この人は下手、私は・・・でも年齢を重ねる毎にそんな評価は下らないという事に気がつきはじめました。演奏をすると、相変わらずその時の「心」そのものが出てしまいますが、それは白黒はっきり上手下手とは判断できない質のものです。
例えば、ヌキちゃんが亡くなった後すぐに撮ったビデオは上手か下手か絶対に判断出来ません。聴こえてくるのはその時の自分の心の悲しみだけです。
その時の自分の心の状態を残してしまうわけですから、ある意味演奏を残す=日記を残すと同じですね。しかも、その素直な気持ちが他人にも感動を与える事もあるのです。音楽は本当にその為に書かれたのではないでしょうか!
今はPTNAのコンペの時期ですが、是非コンペに出ているの皆さんにもこの音楽の楽しみ方を知って欲しいです!もともと音楽は戦うために書かれたわけではありませんからね。上手・下手・・合格・不合格・・演奏を上下で考えないで、もっと深い音楽の本質に向き合って欲しいです。
ところで、音楽って不思議ですね。ピアノを弾くとその音が一瞬聴こえて、その瞬間を境にその響きがどこかへ遠ざかって行く・・・。コンサートではその響きはお客さんの心の中へ入って行く、と想像して弾いていますが、ひとりで弾く時はいつも「音が消えてしまってもったない」と思います。でも、ビデオや録音のお陰で自分の演奏を残す事ができて、ひとりではなくたくさんの人と一緒に音楽を楽しむ事が出来る。うれしいことです!
みなさんがこれからもまた僕の連載を続けて読んで・見て・聴いてくださいますように!
よろしくお願いします。
それでは、また!
ルイ・レーリンク
◆第25回:プロコフィエフ:ソナタ第4番 第2楽章(2009年6月)
◆第24回:バッハ:トッカータ ホ短調 BWV914(2009年5月)
◆第23回:モーツァルト:ソナタkv.533第2楽章(2009年4月)
◆第22回:バッハ=コルトー:Arioso(2009年4月)
オランダ出身。7歳からピアノを始め、15歳で音楽院入学。アムステルダム・スヴェーリンク音学院に於いてW・ブロンズ氏他に師事する。1996年音楽活動の為、日本に移住。「肩の凝らないクラシック」をモットーに各地で通常のコンサートから学校や施設のコンサート、香港等海外でも公演。九州交響楽団との共演、CD「ファイナルファンタジー・ピアノコレクションズ9」の演奏と楽譜監修を行うほか、CD「夢」をリリース。個人/公開レッスンや音楽講座を行い、ピアノ・音楽指導にも意欲的である。洗足学園音楽大学非常勤講師、洗足学園高等学校音楽科講師として、「演奏法」の授業 、演奏家を目指す生徒のための「特別演奏法」の授業、ピアノレッスンを受け持つ。
NHK/BSテレビ「ハローニッポン」、「出会い地球人」
TBSテレビ「ネイバリー」、TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」他出演。
ピアノ演奏法のページ : http://www.senzoku.pianonet.jp も作成中
演奏者のホームページ http://www.pianonet.jp