リュリ作曲：（ゴドフスキー編曲）「サラバンド」
動画：(4,50s)

以前連載でも書いたことがありますが、あるコンクールの審査をした時、ひとりの先生がこんなお話をしました。
自分の高校生の娘は音大で勉強をしたいのですが、反対しているというのです。なぜなら、彼女の血液型はＡ型だから！
この審査員の先生によると、血液型がＢ型じゃないければ演奏家には向かないとか。実は、私はＡ型です！自分の193センチの身長が段々縮んでいくような気持ちでこの先生のお話を聞いていました。

どうでしょうか？本当に血液型は関係あるのでしょうか？
私は日本に来るまで自分の血液型さえ知らなかったぐらいですが、日本人の血液型占い好きに影響されて、私も面白いと思うようになりました！（笑）

Ｂ型の人は割りとマイペースだといわれています。だから音楽も周りの影響を受けずに、自分のペースで自己表現できるのでしょうか。舞台の上でもあんまり緊張をしないのでしょうか？

私はマイペースの反対で、かなり環境に影響されてしまうタイプです。例えば、駐車場の出口で駐車料を払う時に後ろから車が来るといつも焦ってしまいます。「後ろに皆が待っているから速くしないと・・・！」。いいな~私もＢ型になりたいな！

コンサートの時も周囲の影響を受けます。例えば、前に座っているお客さんが優しい表情だと、その方の為に心を込めて気持ちよく弾く事が出来ます。反対に、ちょっと厳しい表情をした人の前では、「どこか気に入らないのかも」と気になって集中する事が難しい場合があります。

コンサートに限らず、場所の「気」というか、周りの環境にも少々敏感なところがあります。気分がよくてずっと居たくなる場所（自然の中でよくこう感じます）、逆に頭痛がしてすぐ引き返したくなる場所もありましたが、時々歩いていて頭の中に音楽が聴こえてくることがあります。自然に湧いて出るような感覚です。時には場所の影響でいつも接している音楽や曲の「解釈」が変わります。例えば、3週間前に京都へ行った時シンプルな美しさを湛える石庭を見た瞬間、あるドビュッシーの音楽が頭の中に流れて来ました。今までと全く違う感じに聴こえたのです。不思議ですね！同じように教会の中に佇んでいると音楽が自然に感じられるようになります。

先週演奏の為に島根県に行った際に「出雲大社」に行ってきました。なんとも不思議な気が流れている所です！でも、とても幸せな気分を与えてくれる所です！

出雲大社の参道を歩いた時、時間の流れがここだけ止まっているような不思議な感覚でした。すごく変な和洋ミックスになりますがここで今回の連載に公開したい曲が浮かんできました。時間のコンセプトが存在しないような、カプセルの中に居るような、「永遠」を感じるような出雲大社の参道・・・17世紀の作曲家リュリのこの小品もそんな要素を含んでいるように感じます。
現実から離れたどこか別世界の音楽ように感じます。

今回の曲は「神話の国」島根県での録音です。
神話の神様からの影響をいただいて、少しだけスピリチュアルにみなさんの心に届いているでしょうか？

良いお年をお迎え下さい。

それでは、また！

今回の曲はCASA　CONCETTO（島根県松江市）で収録しました。

ルイ・レーリンク