最近日本では色々な珍しい場所でのコンサートが企画されているようです。
来週、新潟・新発田市で200年前から続く由緒ある「市島酒造」の酒蔵でコンサートをします。200人以上入れる旧仕込蔵は大きな樽がいくつもある石造りの歴史を感じる建物です。この中で響くピアノってどんな音でしょうか。ヨーロッパの古い教会の響きに似たような音になるのか・・同じ石造りでも教会と酒蔵ではイメージが全く違いますが、私にとってはこの初の試みがとても楽しみです。

今回の酒蔵コンサートはなんともうらやましい事に、お客さん達はコンサートの始まる前、お酒の試飲ができるようです！！お酒を飲んで、いい気分で聴く音楽。なんと理想的な音楽の楽しみ方ですね。私もみなさんとぜひ一緒にいい気分で、と行きたいところですが、もちろんお酒はコンサートの後にオアズケ。いい匂いの漂う中、果たして正気で演奏できるのでしょうか・・・。お酒と音楽とお土産で1500円！だそうです（お問い合わせ：市島酒造info@ichishima.jp）。

自作の酒「涙」(るい）

実は私は日本酒が大好きなのです。酒好きが高じて昔一度だけ自分で日本酒を仕込んだことがあります（日本国内では違反です・・）。オランダの叔父が街から農家に移り住み、自分で収穫した果物から甘くて度数の強いお酒を造るのを見て、自分も造れないはずはないと思ったのです。みんな驚きますが、酵母など材料を取り寄せ、米を蒸すところから始まり、出来上がるまでに約3ヶ月かかりました！本格的、とまでは行かないまでも、かなり旨みのある一応飲めるお酒になりました（「涙」と書いて「るい」という名前までつけました）。工程が複雑で手がかかる事から、もう自分で仕込む事はないと思いますが、日本酒ができるプロセスを知って、更に味を楽しめるようになりました。

演奏に行った先々で、コンサート後にその地方の地酒を少々・・というのが定番の楽しみになっています。 私は何かの縁なのか、よく新潟に行く機会があります。新潟は米どころとして知られているようですが、食べ物も飲み物も「全て」美味しいです。最近は残念ながらダイエットの為に玄米食にしていますが、本当は白米が大好き。炊きたての魚沼産「こしひかり」に納豆か明太子をのせて・・・私の大好物です！その楽しみが減ってしまいましたが、日本酒はなかなかやめられない。

以前、新潟でトークコンサートをした時に、お客さんに「日本酒が大好きです！」っと言ったら、あるお客さんがホールを出てしまいました。なにかまずい事を言ったのかな~っと心配しましたが、コンサート後に、そのお客さんが楽屋に来ました。手にはお酒のビンを持って。「ルイさんが日本酒を大好きと言ってくれてうれしかったので、先程ちょっとホールを出て、私が一番美味しいと思う新潟の酒を買ってきました。」他にも同じような事を言ってくれる人が続き、なんと、その日のコンサートの楽屋は日本酒で一杯になりました！新潟ではいつも日本らしい、優しい「おもてなし」の心を感じます。

そんな新潟はどこも好きですが、佐渡も大好きな場所のひとつです。時々コンサートやレッスンに行きますが、いつかここで「もちより」コンサートをした事があります。コンサートの後、獲れたばかりの新鮮なお魚やサザエ、地元の方々のそれぞれの自慢料理が食べきれない程ならび、皆さんとおしゃべりしながら一緒においしいお料理と、（もちろんお酒と、）楽しい時間を分かち合って、最高のコンサートでした！酒蔵の次は、いつか佐渡の「能舞台」でコンサートをするのが私の夢です。

それでは、また。

ルイ・レーリンク