海外の音楽教育ライブリポート/菅野恵理子

ロン・ティボー国際コンクールピアノ部門 實川風さん3位、深見さん5位入賞

2015/10/28
10月27日、ロン=ティボー=クレスパン国際コンクール・ピアノ部門のファイナル審査が終了し、實川風さんが3位入賞、深見まどかさんが5位に入賞しました。全結果はこちらへ。

最高位は2位(1位なし)のジュリアン・トレヴェルヤンさん。英国出身で、作曲、ヴァイオリン、ヴィオラも学び、地学が好きという16歳。決勝コンチェルトで弾いたバルトーク3番でコンチェルト賞も受賞しました。

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3位に入賞した實川風さんは、決勝ソロリサイタルでチャイコフスキーのドゥムカ、新曲(ヌーベルジェ作曲)、シューマンのアラベスク、シューマンのソナタ第1番を演奏し、新曲課題曲賞、ならびにファイナル・リサイタル賞も受賞しました。

「今回はスケジュールがすごく厳しくて大変でしたが、ファイナルに残れた上、このような結果を頂けてとても嬉しいです!舞台ではそれほど緊張せず、セミファイナル、ファイナルはリサイタルのように弾けました。」

今月初めにはノアンで行われたショパンの夕べに出演、全曲ショパンを弾いたばかり。最近はサロンでのコンサートなどで弾かせて頂くことも多いという實川さん、これからヨーロッパでも演奏機会が増えるでしょう。

写真:チューリヒ・トーンハレ管弦楽団で音楽監督を務めるライオネル・ブランギエ氏と(ブランギエ氏は2016年3月NHK交響楽団と共演予定)。「セミファイナル、ファイナルのリサイタルも聴いていましたが、實川さんの演奏は素晴らしかったです」

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5位の深見まどかさんは、藝大出身、現在パリ国立高等音楽院の古楽器科在籍。決勝コンチェルトではベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を選択、堂々とオーケストラと渡り合いながら落ち着いた演奏を披露しました。またラヴェル作品賞も同時受賞されました。フランス生活6年目、最近は後進の指導にもあたっているそうです。

写真:コンチェルト終了後、深見さんを囲んで。左より、庄司美知子先生、石丸友貴さん(パリ国立高等音楽院在学中)、深見さん、菅野潤先生。石丸さんは、ショパンコンクール優勝チョ・ソンジンさん、チャイコフスキー4位ルカ・デバルクさんと同学年だそうです。

今回審査員を務められた野原みどり氏のインタビューを追ってお届けします。

菅野 恵理子(すがのえりこ)

音楽ジャーナリストとして各国を巡り、国際コンクール・音楽祭・海外音楽教育などの取材・調査研究を手がける。『海外の音楽教育ライブリポート』を長期連載中(ピティナHP)。著書に『ハーバードは「音楽」で人を育てる~21世紀の教養を創るアメリカのリベラル・アーツ教育』(アルテスパブリッシング・2015年)、インタビュー集『生徒を伸ばす! ピアノ教材大研究』(ヤマハミュージックメディア・2013年)がある。上智大学外国語学部卒業。在学中に英ランカスター大学へ交換留学し、社会学を学ぶ。一般社団法人全日本ピアノ指導者協会勤務を経て現職。2007年に渡仏し「子どもの可能性を広げるアート教育・フランス編」を1年間連載。ピアノを幼少・学生時代にグレッグ・マーティン、根津栄子両氏に師事。全日本ピアノ指導者協会研究会員、マレーシア・ショパン協会アソシエイトメンバー。 ホームページ:http://www.erikosugano.com/

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