海外の音楽教育ライブリポート/菅野恵理子

ジーナ・バックアゥワー国際コンクール(3)ヤングアーティスト部門が明日開幕

2012/06/25
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2週目を迎えたジーナ・バックアゥワー国際コンクール。先週山崎亮汰さんが優勝を飾ったジュニア部門に続き、今週は14?18歳対象のヤング・アーティスト部門が開かれる。この部門には小林愛実さんが出場する。(写真:参加者たち)

今年のヤング・アーティスト部門出場者は32名(2名が欠場)。一次予選ソロ25分・二次予選ソロ35分までは全員が演奏する。したがってスケジュールはかなりハードで、一次予選は11時から始まり21時半まで、二次予選は9時から22時半までという長時間に及ぶ審査となる。そこから6名がファイナルに進出し、最終日にピアノ協奏曲1曲(1楽章)を演奏する。

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この部門もプログラムは全て自由選曲。各自が自信をもったプログラムで臨んでくるはずである。どのような曲を選び、どの曲順で弾き、各曲をどう表現するのか、ぜひ注目したい(参考:ジュニア国際コンクールの今)。ちなみに小林愛実さんは一次予選でベートーヴェンのソナタ第23番「熱情」、二次予選はスクリャービンのソナタ第2番、ショパンのソナタ第2番で臨む。やはりこの部門ではソナタ全楽章や、バッハのパルティータ全曲、ショパンのエチュードop.10全曲(2名)、ショスタコーヴィチの前奏曲全曲などの大規模な作品が多い。またオール・リスト(二次予選)や、自作曲を入れたり、アーロン・コープランドやジョン・コリリアーノ等の米国作曲家を組み合わせる参加者も何名かいる。それぞれこだわりのプログラムが楽しみだ。(写真はくじ引きの様子。この後コンクール特製Tシャツをもらい、各自ホストファミリー宅へ帰っていった)


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なおこの時期に合わせて、地元ユタ大学音楽学校では「ピアノ演奏夏季セミナー」が開催される。期間は6月25日から30日まで。午前はレッスンか練習、午後はレクチャーやマスタークラスを聴講し、夕方からコンクールを鑑賞するプログラムである。

ユタ大学はソルトレイクシティ市内東部にあり、小高い丘一面にそれはそれは広大なキャンパスが広がる。音楽学校の建物には、コンサートホール、室内楽ホール、リサイタルホールほか練習室が沢山ある。とにかく贅沢な環境!(参考:アメリカの大学にはなぜ音楽学科があるのか

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さて、いよいよヤング・アーティスト部門が明日26日より行われる。一次予選の審査時間は、11:00―12:45、13:1516:40、19:0021:30。小林愛実さんは26日(火)19:00開演の部に登場予定。参加者一覧ライブストリーミング配信はこちらへ!(写真奥はコンクール会場のRose Wagner Hall。手前はところどころ歩道に置いてあるアップライトピアノ)

菅野 恵理子(すがのえりこ)

音楽ジャーナリストとして各国を巡り、国際コンクール・音楽祭・海外音楽教育などの取材・調査研究を手がける。『海外の音楽教育ライブリポート』を長期連載中(ピティナHP)。著書に『ハーバードは「音楽」で人を育てる~21世紀の教養を創るアメリカのリベラル・アーツ教育』(アルテスパブリッシング・2015年)、インタビュー集『生徒を伸ばす! ピアノ教材大研究』(ヤマハミュージックメディア・2013年)がある。上智大学外国語学部卒業。在学中に英ランカスター大学へ交換留学し、社会学を学ぶ。一般社団法人全日本ピアノ指導者協会勤務を経て現職。2007年に渡仏し「子どもの可能性を広げるアート教育・フランス編」を1年間連載。ピアノを幼少・学生時代にグレッグ・マーティン、根津栄子両氏に師事。全日本ピアノ指導者協会研究会員、マレーシア・ショパン協会アソシエイトメンバー。 ホームページ:http://www.erikosugano.com/

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