浜コン：1次予選5日目レポート
2009/11/12
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1次予選最終日。5日間にわたる1次予選も、本日、結果が出ます。今日は午前中からの開催。当初の想定より棄権者が少なかったために、予定より多めの人数での1次予選になったとの情報もありました。
ちょっと分かりにくいですが、1階席から見上げた2階席の審査員席。イスの上に上手に机が据え付けられており、審査員は、机に向かってメモを取ったり楽譜を見たりすることができるようになっています。
5日目は大変レベルの高いコンテスタントの競演になりました。ピアノ選択は以下のとおり。
39 KIM Sun-Hwa(17) Steinway
33 Sean KENNARD(25) Steinway
88 Francesca VIDAL(24) Yamaha
--
51 Fatimat MERDANOVA(26) Yamaha
34 Stanislav KHEGAY(24) Steinway
93 Kwan YI(24) Yamaha
--
14 Sara DANESHPOUR(22) Steinway
75 Oliver SHE(18) Steinway
64 OZAKI Yuhi(20) Yamaha
--
31 Gintaras JANUSEVICIUS(24) Yamaha
29 HUH Jae-Weon(22) Yamaha
05 Angelo ARCIGLIONE(27) Yamaha
--
70 Tamila SALIMDJANOVA(17) Yamaha
37 KIM Jun-Hee(19) Yamaha
53 MIZUTANI Momoko(18) Yamaha
--
20 Elmar GASANOV(26) Steinway
77 Sergey SOBOLEV(27) 棄権（Steinway)
36 KIM Hyun-Jung(18) Yamaha
71 SASAKI Takashi(28) Yamaha
Yamaha12名、Steinway 7名（うち棄権1）
1次予選の累計：Yamaha 53名(62.4%)、Steinway 25名(29.4%)、Kawai 7名(8.2%)
今日は、世界有数の国際コンクールに成長したハママツのレベルの高さを示す1日となりました。
Francesca VIDAL（イタリア、24歳）は、よく練られ、感興も豊かなベートーヴェンなどでプロフェッショナルな演奏態度を印象付けます。Fatima MERDANOVA（ロシア、26歳）は、師匠エリソ・ヴィルサラーゼゆずりの、指のバネで力強くはじいていく奏法が印象的。キリっとした音質と、軽快さと大胆さを兼ね備えた語り口で聞かせました。
尾崎有飛（日本、20歳）は、音色と深みのあるタッチでバッハからぐっと引きつけると、ヨーロッパ留学で成長させたオーケストラのような音色の変化やスケールの大きな歌いまわしで、堂々の演奏ぶり。KIM Jun-Hee（韓国、19歳）は、2007年ロン・ティボー国際の2位。どの曲も、シンプルでオーソドックスな無理のない音楽が心地よく、至難のこのホールでさえクリアに響かせる抜群の耳の良さとフレーズの形の美しさは、正統派を感じさせます。水谷桃子（日本、18歳）は、のびのびとした健やかな個性で、ノンペダルのバッハを美しく丁寧に仕上げ好感。ハイドンの立体感や愉悦感も見事でした。
Elmar GASANOV（ロシア、26歳）は、音楽のラインに対しアグレッシブに自身の感興を乗せてくるピアニスト。鮮やかな対比で彫りの深いフォルムを描いたバッハのフーガや、響きの性質をよく聴いたクライスラー＝ラフマニノフのレベルの高さは一級品。KIM Hyun-Jung（韓国、18歳）は、独特の節回しがやや気になる荒削りの素材ながら、バッハの誠実な音楽性とサン・サーンス＝リストの「死の舞踏」で聴かせた情熱的な音楽への思いがさわやかです。
ところで、今日の驚きは、最後の部の2番目で演奏した、Sergey SOBOLEV（ロシア、27歳）。エリーザベト王妃やチャイコフスキー国際など、超一流の国際コンクールで入賞している逸材でしたが、1曲目、バッハのプレリュードを弾き終え、フーガを少し弾いたところで、突然立ち上がり、ステージ袖へ。一瞬、ホールの聴衆も何が起こったのか信じられない光景でした。
数分の空白の後、「演奏者の事情により his personal reason」棄権したとの場内アナウンスが流れ、通常演奏を終える程度（15分弱）の中断の後、次のコンテスタントの演奏に移りました。突然の棄権。真相は明かされませんでしたが、強い印象を残しました。
明日は、10時30分から、2次予選が始まります。
ちょっと分かりにくいですが、1階席から見上げた2階席の審査員席。イスの上に上手に机が据え付けられており、審査員は、机に向かってメモを取ったり楽譜を見たりすることができるようになっています。
5日目は大変レベルの高いコンテスタントの競演になりました。ピアノ選択は以下のとおり。
39 KIM Sun-Hwa(17) Steinway
33 Sean KENNARD(25) Steinway
88 Francesca VIDAL(24) Yamaha
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51 Fatimat MERDANOVA(26) Yamaha
34 Stanislav KHEGAY(24) Steinway
93 Kwan YI(24) Yamaha
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14 Sara DANESHPOUR(22) Steinway
75 Oliver SHE(18) Steinway
64 OZAKI Yuhi(20) Yamaha
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31 Gintaras JANUSEVICIUS(24) Yamaha
29 HUH Jae-Weon(22) Yamaha
05 Angelo ARCIGLIONE(27) Yamaha
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70 Tamila SALIMDJANOVA(17) Yamaha
37 KIM Jun-Hee(19) Yamaha
53 MIZUTANI Momoko(18) Yamaha
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20 Elmar GASANOV(26) Steinway
77 Sergey SOBOLEV(27) 棄権（Steinway)
36 KIM Hyun-Jung(18) Yamaha
71 SASAKI Takashi(28) Yamaha
Yamaha12名、Steinway 7名（うち棄権1）
1次予選の累計：Yamaha 53名(62.4%)、Steinway 25名(29.4%)、Kawai 7名(8.2%)
今日は、世界有数の国際コンクールに成長したハママツのレベルの高さを示す1日となりました。
Francesca VIDAL（イタリア、24歳）は、よく練られ、感興も豊かなベートーヴェンなどでプロフェッショナルな演奏態度を印象付けます。Fatima MERDANOVA（ロシア、26歳）は、師匠エリソ・ヴィルサラーゼゆずりの、指のバネで力強くはじいていく奏法が印象的。キリっとした音質と、軽快さと大胆さを兼ね備えた語り口で聞かせました。
尾崎有飛（日本、20歳）は、音色と深みのあるタッチでバッハからぐっと引きつけると、ヨーロッパ留学で成長させたオーケストラのような音色の変化やスケールの大きな歌いまわしで、堂々の演奏ぶり。KIM Jun-Hee（韓国、19歳）は、2007年ロン・ティボー国際の2位。どの曲も、シンプルでオーソドックスな無理のない音楽が心地よく、至難のこのホールでさえクリアに響かせる抜群の耳の良さとフレーズの形の美しさは、正統派を感じさせます。水谷桃子（日本、18歳）は、のびのびとした健やかな個性で、ノンペダルのバッハを美しく丁寧に仕上げ好感。ハイドンの立体感や愉悦感も見事でした。
Elmar GASANOV（ロシア、26歳）は、音楽のラインに対しアグレッシブに自身の感興を乗せてくるピアニスト。鮮やかな対比で彫りの深いフォルムを描いたバッハのフーガや、響きの性質をよく聴いたクライスラー＝ラフマニノフのレベルの高さは一級品。KIM Hyun-Jung（韓国、18歳）は、独特の節回しがやや気になる荒削りの素材ながら、バッハの誠実な音楽性とサン・サーンス＝リストの「死の舞踏」で聴かせた情熱的な音楽への思いがさわやかです。
ところで、今日の驚きは、最後の部の2番目で演奏した、Sergey SOBOLEV（ロシア、27歳）。エリーザベト王妃やチャイコフスキー国際など、超一流の国際コンクールで入賞している逸材でしたが、1曲目、バッハのプレリュードを弾き終え、フーガを少し弾いたところで、突然立ち上がり、ステージ袖へ。一瞬、ホールの聴衆も何が起こったのか信じられない光景でした。
数分の空白の後、「演奏者の事情により his personal reason」棄権したとの場内アナウンスが流れ、通常演奏を終える程度（15分弱）の中断の後、次のコンテスタントの演奏に移りました。突然の棄権。真相は明かされませんでしたが、強い印象を残しました。
明日は、10時30分から、2次予選が始まります。
ピティナ編集部
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