浜コン:1次予選3日目レポート、世界レベルの十代続々
2009/11/10
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1次予選3日目。今日から1日に16名(昨日まで17名)となり、終了が20分早まりました。昼の部を終えて夕食休憩に出てくると、浜松は初めての雨。ここから、ぐっと冬に向かって寒くなっていくのでしょうか。コンクール会場内は、むしろ日に日にコンテスタントの熱気が溜まっていくようです。
1次から3次(セミファイナル)まで、ソロ演奏の全てが行われる、アクトシティ浜松中ホール。非常に響きの豊か(残響2.1秒、もっと響く感じがします)なホールで、客席の入り具合によっても大きく演奏感覚が異なる、コントロールが難しい空間です。
今日のコンテスタントとピアノ選択は以下の通り。
44 KUAN Sheng-Yuan(27) Yamaha
03 AN Jong-Do(23) Yamaha
25 HAN Sang-Il(25) Yamaha
--
65 PARK Jong-Hai(19) Yamaha
09 Sean CHEN(21) Kawai
78 Michal SZYMANOWSKI(21) Yamaha
--
02 Ivan ALEXANDROV(22) Kawai
40 Ana KIPIANI(15) Steinway
08 CHEN Chang(26) Steinway
--
55 James Jae-Won MOON(23) Steinway
97 Adam ZUKIEWICZ(25) Yamaha
17 Nazareno FERRUGGIO(28) Yamaha
54 MOON Hyun-Jee(26) Yamaha
--
10 CHO Seong-Jin(15) Yamaha
22 Valery GOLDES(18) Steinway
30 INUGAI Shinnosuke(27) Yamaha
Yamaha 10名、Steinway 4名、Kawai 2名
(3日間累計:Yamaha 29名、Steinway 14名、Kawai 7名)
今日は、十代の演奏者に驚異的な才能が次々と現れ、まさに「浜コンらしさ」を存分に味わえる1日となりました。
PARK Jong-Hai(韓国、19歳)は、昨日のエントリー(出身校ランク)で紹介した「韓国国立芸術大学」のカン・チュンモ教授のお弟子さんで、既に今年のダブリン国際で2位に入っている成長株。男性的で決然と向き合ったプレリュードと落ち着いて綺麗に響く音質で深く彫り込んだフーガとの対比が見事なバッハから、他のコンテスタントと全く異質の青白い音世界。「色気」は薄いけれど音楽自体の良さに語らせたモーツァルト、大きな構造をくっきりと浮かび上がらせながら細かいニュアンスも響かせたスクリャービンと、レベルの高い構成でまとめました。
Ana KIPIANI(グルジア、15歳)は、バッハ冒頭から、「音」自体が持つ寂寥感にぐっと引き付けられ、響きが過剰にならないギリギリのバランスで、むしろ前に出していないほうの声部が心に響く、既に大人の品格。常に抑制と息の長さを大切にした演奏に、世界レベルを感じます。CHO Seong-Jin(韓国、15歳)も同じく15歳と思えない堂々とした技巧と弾きぶりですが、こちらはむしろ、年齢相応の若々しく雄雄しい「熱情」ソナタや英雄ポロネーズで聴衆に積極的にアプローチします。一方で、バッハでは多声部を自在に出し入れする巧さも持ち合わせ、こちらも最高レベルの15歳。
Valery GOLDES(イスラエル、18歳)は、CHOの鼻息荒い大熱演の後、むしろ線が細い頼りない少年という感じの登場でしたが、前述の誰とも違う、貴族的でハーモニーの美しさを重視した音楽性の高い演奏で、自然と心に染み入る音楽を奏でます。フレーズのツボだけをそっと押し、それ以外はむしろあっさりまとめて作品自体の魅力がにじみ出るように自分を消していくクレバーさがかえって印象的。バラード1番も、あえて静謐感をもった態度でまとめたのも彼の音楽観なのでしょう。
「世界の十代」のレベルの高さに圧倒された1次予選3日目でした。
Ana KIPIANIさんは、グルジアのトリビシ第一中央音楽学校に学ぶ15歳。今回は、指導者のL.イナシュヴィリ先生も来日。先生の下で勉強して5年だそうです。「良かったんじゃないかな」と先生もご満悦。
明日(11日)からは、いよいよ、ピティナ特級入賞組が揃い踏み。立て続けに登場する日本人演奏者に期待が広がります。
★18:30-19:50のグループ
仲田みずほさん(2009特級グランプリ)
加藤大樹さん(2009特級銀賞)
★12日(木)14:50-15:50のグループ
尾崎有飛さん(2007特級グランプリ)
★12日(木)16:10-17:10のグループ
水谷桃子さん(2008特級準金賞)
素晴らしい品質で配信・アップロードされるインターネット映像で、コンテスタントを是非応援し、国際コンクールの雰囲気を体感してみてください。
1次から3次(セミファイナル)まで、ソロ演奏の全てが行われる、アクトシティ浜松中ホール。非常に響きの豊か(残響2.1秒、もっと響く感じがします)なホールで、客席の入り具合によっても大きく演奏感覚が異なる、コントロールが難しい空間です。
今日のコンテスタントとピアノ選択は以下の通り。
44 KUAN Sheng-Yuan(27) Yamaha
03 AN Jong-Do(23) Yamaha
25 HAN Sang-Il(25) Yamaha
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65 PARK Jong-Hai(19) Yamaha
09 Sean CHEN(21) Kawai
78 Michal SZYMANOWSKI(21) Yamaha
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02 Ivan ALEXANDROV(22) Kawai
40 Ana KIPIANI(15) Steinway
08 CHEN Chang(26) Steinway
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55 James Jae-Won MOON(23) Steinway
97 Adam ZUKIEWICZ(25) Yamaha
17 Nazareno FERRUGGIO(28) Yamaha
54 MOON Hyun-Jee(26) Yamaha
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10 CHO Seong-Jin(15) Yamaha
22 Valery GOLDES(18) Steinway
30 INUGAI Shinnosuke(27) Yamaha
Yamaha 10名、Steinway 4名、Kawai 2名
(3日間累計:Yamaha 29名、Steinway 14名、Kawai 7名)
今日は、十代の演奏者に驚異的な才能が次々と現れ、まさに「浜コンらしさ」を存分に味わえる1日となりました。
PARK Jong-Hai(韓国、19歳)は、昨日のエントリー(出身校ランク)で紹介した「韓国国立芸術大学」のカン・チュンモ教授のお弟子さんで、既に今年のダブリン国際で2位に入っている成長株。男性的で決然と向き合ったプレリュードと落ち着いて綺麗に響く音質で深く彫り込んだフーガとの対比が見事なバッハから、他のコンテスタントと全く異質の青白い音世界。「色気」は薄いけれど音楽自体の良さに語らせたモーツァルト、大きな構造をくっきりと浮かび上がらせながら細かいニュアンスも響かせたスクリャービンと、レベルの高い構成でまとめました。
Ana KIPIANI(グルジア、15歳)は、バッハ冒頭から、「音」自体が持つ寂寥感にぐっと引き付けられ、響きが過剰にならないギリギリのバランスで、むしろ前に出していないほうの声部が心に響く、既に大人の品格。常に抑制と息の長さを大切にした演奏に、世界レベルを感じます。CHO Seong-Jin(韓国、15歳)も同じく15歳と思えない堂々とした技巧と弾きぶりですが、こちらはむしろ、年齢相応の若々しく雄雄しい「熱情」ソナタや英雄ポロネーズで聴衆に積極的にアプローチします。一方で、バッハでは多声部を自在に出し入れする巧さも持ち合わせ、こちらも最高レベルの15歳。
Valery GOLDES(イスラエル、18歳)は、CHOの鼻息荒い大熱演の後、むしろ線が細い頼りない少年という感じの登場でしたが、前述の誰とも違う、貴族的でハーモニーの美しさを重視した音楽性の高い演奏で、自然と心に染み入る音楽を奏でます。フレーズのツボだけをそっと押し、それ以外はむしろあっさりまとめて作品自体の魅力がにじみ出るように自分を消していくクレバーさがかえって印象的。バラード1番も、あえて静謐感をもった態度でまとめたのも彼の音楽観なのでしょう。
「世界の十代」のレベルの高さに圧倒された1次予選3日目でした。
Ana KIPIANIさんは、グルジアのトリビシ第一中央音楽学校に学ぶ15歳。今回は、指導者のL.イナシュヴィリ先生も来日。先生の下で勉強して5年だそうです。「良かったんじゃないかな」と先生もご満悦。
明日(11日)からは、いよいよ、ピティナ特級入賞組が揃い踏み。立て続けに登場する日本人演奏者に期待が広がります。
★18:30-19:50のグループ
仲田みずほさん(2009特級グランプリ)
加藤大樹さん(2009特級銀賞)
★12日(木)14:50-15:50のグループ
尾崎有飛さん(2007特級グランプリ)
★12日(木)16:10-17:10のグループ
水谷桃子さん(2008特級準金賞)
素晴らしい品質で配信・アップロードされるインターネット映像で、コンテスタントを是非応援し、国際コンクールの雰囲気を体感してみてください。
ピティナ編集部
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