何故ピアノを習うのでしょうか?
ある脳科学者の方が「お稽古事はピアノだけで良い!」と発言されました。私としては「そのとおり!」と叫びたいです。
ピアノを弾くという行為は脳の活性化を計ります。指先を動かすことで、ボケ防止にもなるそうです。
何故脳が鍛えられるか?
ピアノを弾く際には、まず楽譜を読み取り、どう弾くか考え、生まれた(弾いた)音を聴き弾き続けながら次に「もっとよくしよう!」と瞬時に修正を計り指令をだしていきます。
そして、ペダルを踏む、左右の手はもちろん、違う動きをします。この一連の動作を、慣れもあるとはいえ、瞬時に、スムーズに感情まで込めながらやり続けるわけです。これがすべて脳からの指令だとすれば、実に凄いことではないでしょうか。
ピアノの上手な人は頭が良い!
上手で無い人は!?・・・ピアノを弾くことによって、頭を良くしていきましょう!
では、なぜピアノを教えるのでしょうか?
頭の良い子を育てるため?
私はピアノや音楽の好きな人を育てたい、生涯ピアノを楽しんでほしい、更には真剣に教えることで「良い人間を育てたい!」と偉そうなことを思っています。
心や体にとって重労働です(特にコンペティションの時期)。そのくらいの意義を感じていないとやっていけない!(笑)
一対一の教育は他に少ないことを考えても、素晴らしい「教育の場」だと思っています。これまでも書いてきたように、生徒の音を聴けば、その子のその時々の生活や性格が表れます。
荒れた音を聴くと、「何か問題を抱えているのでは?」と心配します。
話が聞けない子には、落ち着いて「学ぶ」姿勢を問います。
親子して、いっしょうけんめい取り組むコンクール。練習し、少しでも良くなるよう努力し、磨きをかけ、真剣さから美しいものへと到達した時の感動。その毎日の努力や葛藤を想像すると、「幸せな家庭だなあ」と安心します。
人間として成長していくプロセスを見守り続け、音楽とともに心も豊かに育つ過程を楽しみ、ともに歩めることは指導者にとって幸せなことです。それがピアノを教えている理由なのだと思います。
毎月の研究会で学び続けている先生方。全国各地にセミナー講師として行った際に出会う先生方。本当に皆さん、教えることに真剣に取り組んでいて、情熱を感じます!
世の中の親御さんは「お子さんにピアノを学ばせたら良い!」と確信しています。
コツコツと毎日努力する尊さを学び、美しいものを美しいと感じる豊かな心も育ちます。音作りに神経が使える人は、気配りもできる人になっていきます。
親以外に、生涯にわたって真剣に自分のことを考えてくれる人が存在する(長いお付き合いになることが多いです。)ということは、とても力強いことではないでしょうか。
もちろん、ピアノを学び続けても皆ピアニストにはなりませんし、指導者になるわけでなくておも、ピアノを学んで得たものは、必ず人間形成に役立っていると思います。
その証拠に、暖かく見守り、教えてきた人は皆、素晴らしい大人になっています!
人生で何人の「師」に出会ったでしょうか。
本などによる間接的な影響も多いですが、直接学びを受けた「師」といえば、、、
小・中・高・大学。特に小学性の頃の先生からの影響はとても大きかったと思います。
ピアノの先生は別として、学校の担任の先生は皆、男の先生でした。皆素晴らしい先生で、幸せなことでした。
習い事として茶道、書道、そしてピアノも良い先生に恵まれ、先生方すべてから、人としての影響を受けて、今の自分があると思います。
自分が指導者となった今、私の「師」がそうであったように、生徒たちから仰いでもらえるよう、気持ちを引き締めて、毎日真剣に、ピアノへ向かっています。
武蔵野音楽大学ピアノ専攻科卒業。武田宏子氏・吉岡千賀子氏に師事。バスティン・ メッソードの講師として全国各地で講座を行う一方、地元鹿児島ではピアノ指導法研 究会を主宰。生徒育成においては、ジュニア・ジーナ・バックアゥワー国際コンクー ル第2位輩出のほか、長年にわたりピティナ・ピアノコンペティションにて高い指導 実績を全国にアピール。特に1999年度は、ピティナ全国決勝大会のソロ・デュオ・コ ンチェルト部門に計7組の生徒を進出させ、ソロF級で金賞、コンチェルト初級で優 秀賞などを受賞した。導入期から上級レベルの生徒までまんべんなく育て上げる指導 法は、全国のピアノ指導者の注目の的となっている。ピティナ正会員、コンペティシ ョン全国決勝大会審査員。ステーション育成委員会副委員長。