100のレッスンポイント

014.レガートは歩くことと同じ。自然に歩こう

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2010/03/05
♪試してみよう
鍵盤以外のところで、指を「歩かせる」練習をしてみましょう。テーブルの端から端を誰が一番指かけっこが早いか?などと遊びの要素もとりいれると面白いです。

ピアノのテクニックの中で最も難しいのはレガート奏法でしょう。

弦を打つ打楽器ともいえるわけで、悲しいかな、息の楽器のように音と音はうまくつながらない宿命を持っています。

右足と左足が自然に交互に出るように、ピアノを弾くときの指も、指と指が自然に入れ替わりながら進みます。決してジャンプしながらではありません。
普通に歩くとき、体を上下にいちいち動かしながら歩いたりはしませんよね。レガートでピアノを弾くときも、スマートに次に音を渡してあげるようにつなげてほしいものです。

小さい生徒さんは指に力が無いので、一音一音、指を振って弾く人をよく見かけます。これではとてもレガートにはなりません。
手のひらを動かして弾いてしまうと、反動がつき、次も振って弾くことになります。音はでやすいですが、たどたどしい弾き方で美しくありません。一音一音指を振るのでなく、指の先の重みが次にうまく移っていくように美しく弾いてほしいです。

レガート奏法はリレーのようです。前の人と一瞬だけ同時にバトンを持ち、受け渡せたら、前の人は手を離してあげないといけませんし、次の人が持つ前に離してしまうと、バトンは落ちてしまいます。

100のポイント002で述べましたように、指の長さを考えてレガートに注意してほしいですが、指のスマートな「歩き方」をマスターしていくために、2と3歩きとか、「がに股」のような1、3歩きなどを、まずテーブルの上で試してはいかがでしょう?ひじも楽についてきて、脱力の練習にもなります。テーブルの端から端を誰が一番指かけっこが早いか?これなら、軽々動く人がいます!

ピアノを弾くことを、鍵盤から離れたところで練習すると、力まず、簡単にマスターできることがあります。(^0^)

音階進行は曲中の大半を締めます。それが美しくなれば、その曲の大半が美しくなるということではないでしょうか!流暢な日本語での会話のように、レガートの音が出ているか耳をすませましょう!

番外編 長調・指使いの法則

「歩き方」に関連して・・・ピアノのテクニックで最も大切なことが音階かもしれません。
音階をレガートで弾くには、指使いを確実にしておく必要があります。迷っていては、スムーズなレガートはできません。各調の音階の指使いをきちんと覚えましょう。
音階は(1オクターブ上の主音を含めて)8つの音でできています。
指は5本です。「3+5」「4+4」それぞれ「=8」がキーポイントです!

※白鍵始まりの調(上行)
右手・・・123,12345   例外: F 1234,1234
左手・・・54321,321   例外: H 4321,4321
※黒鍵始まりの調
右手・・・2つ並びの黒鍵には2と3、3つ並びの黒鍵には234の指をおく
   開始音の黒鍵に当たる指番号から始め、黒鍵から白鍵に下りた時に、1。
左手・・・3のゆびから始める 321,43213 例外:Ges 4321,3214(2)

♪ 指番号がマスターできたら、1分間で2オクターブ音階(カデンツ付)を何種類弾けるか競争!といった遊びをさせたりしています。


池川 礼子(いけがわ れいこ)

武蔵野音楽大学ピアノ専攻科卒業。武田宏子氏・吉岡千賀子氏に師事。バスティン・ メッソードの講師として全国各地で講座を行う一方、地元鹿児島ではピアノ指導法研 究会を主宰。生徒育成においては、ジュニア・ジーナ・バックアゥワー国際コンクー ル第2位輩出のほか、長年にわたりピティナ・ピアノコンペティションにて高い指導 実績を全国にアピール。特に1999年度は、ピティナ全国決勝大会のソロ・デュオ・コ ンチェルト部門に計7組の生徒を進出させ、ソロF級で金賞、コンチェルト初級で優 秀賞などを受賞した。導入期から上級レベルの生徒までまんべんなく育て上げる指導 法は、全国のピアノ指導者の注目の的となっている。ピティナ正会員、コンペティシ ョン全国決勝大会審査員。ステーション育成委員会副委員長。

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