「どこが」弾きにくいのでしょう?「なぜ」弾きにくいのでしょうか?
指が弱くて動いていなかったり、音が飛んで外れたり、不安で力んでしまったり。
いろいろな理由が考えられますが、それをはっきりと認識することが大切です。小さい人は、自分ではなかなかわかりません(大きくなっても同じかも?)。弾けない原因を見つけて指摘し、何を練習すべきかを伝える事は、指導者にとって重要な役目だと思います。
実際の指導ではケースバイケースで、いろいろな原因と処方箋が考えられ、それらを全てを書き出すわけにはいきません。しかし「もしかしたらどんな場合でも有効かも」と思っている方法があります。それは「2音にする」というものです。
まず「どこが」弾きにくいのかを探していきます。どんなに音が多くても、早いパッセージでも、重音でも、和音でも、ポリフォニーでも、、、最も弾きにくいところを考えます。
どこが弾きにくいのか?動きにくく、転びそうなところがあるときは、その2音を10秒間続けて弾いてみましょう。(「試してみよう」の動画もご参照ください)
10秒だけでも、とてもたくさん練習した気になるほど、指を動かすことになります。これだけで、驚くほど弾きやすくなります。(弱い、3,4の指などぜひお試しください)。そして、その2音が弾きやすくなったら、その前後の音、その拍の音、そして1小節全部と、だんだん音を増やしていきましょう。そうしていくうちに弾きにくさが解決します。
音が離れていてミスタッチをしてしまう場合も、まず飛んでいる2音から始めましょう。この場合は、回数を決めて10回、目を閉じて当たるまで行うという方法などが効果的です。やはり最も難しい2音から。でも、「2音」が確実になれば、必ず弾けるようになります。
弾きにくいところ、弾けていないところを、避けて通らず、まずその部分を知りましょう。そして、「2音から」とか「10秒だけ」といったほんの少しの努力が、完成への大切な一歩です。
武蔵野音楽大学ピアノ専攻科卒業。武田宏子氏・吉岡千賀子氏に師事。バスティン・ メッソードの講師として全国各地で講座を行う一方、地元鹿児島ではピアノ指導法研 究会を主宰。生徒育成においては、ジュニア・ジーナ・バックアゥワー国際コンクー ル第2位輩出のほか、長年にわたりピティナ・ピアノコンペティションにて高い指導 実績を全国にアピール。特に1999年度は、ピティナ全国決勝大会のソロ・デュオ・コ ンチェルト部門に計7組の生徒を進出させ、ソロF級で金賞、コンチェルト初級で優 秀賞などを受賞した。導入期から上級レベルの生徒までまんべんなく育て上げる指導 法は、全国のピアノ指導者の注目の的となっている。ピティナ正会員、コンペティシ ョン全国決勝大会審査員。ステーション育成委員会副委員長。
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