曲には、難しいところが必ずあります。
どうやって弾けるようになるのか?
そのまま何も考えずに練習し続けても、ずっと難しいままです。
それは皆わかっているのですが、ついつい後回し。見てみぬふりをしてしまう。
たとえば、ある4分の4拍子、16小節の短い曲を練習している場合を考えてみます。ほとんどの部分は間違えないで弾けますが、「タタタタ」という16分音符の固まり一箇所だけがうまく弾けず、ミスタッチをしたり、そこだけテンポを落とさないと弾けないということがあるかもしれません。このような場合、最初から弾き直しても、同じところがまたうまく弾けない!ということが多いはずです。
そこで、部分練習です。
この曲は4分の4拍子、16小節ですから、全部で64拍です。うまく弾けないは一拍分なのですから、最初から最後まで弾き通して練習するばかりでなく、その部分だけを練習すれば、苦手部分を64倍も効率良く練習できるということですね!
そして、難しいところの練習の原則は「簡単にする!」
簡単にする方法は1、片手で弾く 2、ゆっくり弾く 3、短くする(どれか一つでもよいし、複数合わせてもよいです)
「難しい部分を集中して3回弾く」という方法も試してみましょう。
たった3回でも、必ず3回目には正しく弾くつもりで集中します。それが癖になると良いと思います。それを次の日も、また続ける!
これを積み重ねることで必ず、どうしてここが弾けなかったのか?と思う日が来るはずです!(^0^)
昔、とても練習量が少ないのに、ピアノが上手な子がいました。彼女のお母さんいわく、弾けないところを「3回だけ弾く」というのですが、とても集中しているので必ず弾けるようになります。しかし体が小さいので、30分でヘトヘトになってしまいます。それ以上の練習はできないのでしょう。
いっぽう、この子のお姉さんはピアノが大好きで一日中練習していました。しかし妹に比べると、上達は速くありませんでした。
「3回」で弾けるほうが、有意義な時間が過ごせます。いろいろな経験、勉強もできます。そのうえで素敵なピアノが弾け(小5のときには毎週、別のモーツアルトのコンチェルトを弾いていました)るのですから、よいのかな?と思います。効率の良い練習は、さらに忙しい今の子供たちには重要だと思います。
姉妹とも毎年コンペ決勝に進出していて、とても上手でした。その後お姉さんは音大へ、妹は東大へ進学しました。どちらが幸せだったのかな?とふと思い出します。
武蔵野音楽大学ピアノ専攻科卒業。武田宏子氏・吉岡千賀子氏に師事。バスティン・ メッソードの講師として全国各地で講座を行う一方、地元鹿児島ではピアノ指導法研 究会を主宰。生徒育成においては、ジュニア・ジーナ・バックアゥワー国際コンクー ル第2位輩出のほか、長年にわたりピティナ・ピアノコンペティションにて高い指導 実績を全国にアピール。特に1999年度は、ピティナ全国決勝大会のソロ・デュオ・コ ンチェルト部門に計7組の生徒を進出させ、ソロF級で金賞、コンチェルト初級で優 秀賞などを受賞した。導入期から上級レベルの生徒までまんべんなく育て上げる指導 法は、全国のピアノ指導者の注目の的となっている。ピティナ正会員、コンペティシ ョン全国決勝大会審査員。ステーション育成委員会副委員長。
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