100のレッスンポイント

003.指の構造を考えた弾き方

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2009/12/11
♪試してみよう
ドレミファソを、1から2の指に移る時、2の指の支えを高く、重みを移していくようにレガートに弾いてみましょう。小さな音でも良いです。次に、同じドレミファソを、格音を、振り落とすよう弾いてみましょう。どちらが、美しく言葉のようにつながっているでしょうか?目をつぶって聞き分けてみて下さい。

指の構造とは?
(1)大まかに言うと、親指と小指が短く、他3本は長い。
(2)親指は他の指と構造が違う。
長い指は、支え(第3関節)の位置も高くなるはずです。
親指から人差し指へ移る時、振り回さず、重みを移動するように、レガートにつながるように、支えの位置を高くするのが、レガート奏法の基本だと思います。
その時、自分から人差し指の「つめ」が見えないように重みを移すのがコツです。
音階の初め、親指から、人差し指をふって弾くと、その後も同じように反動がつくため乱暴な音階になってしまいます。
一音一音区切れて聞こえます。 小指から、薬指に移るときも同じことが言えます。
また、親指だけは、関節が1つ少なく(手首の近くに隠れているそうです)つめの側面で弾き、上下左右に動かせるという便利な機能を持っています。それを上手く使うために、親指を硬く力んでしまわないように注意したいです。
他の4本の指は、つめの下で重みが鍵盤に伝わりやすいようにしましょう。
一音一音をふって弾くのでなく、声のようにつながったレガート奏法で良い音が出ているか注意して聴きながら弾きましょう!指の長さどおりに、長い指はすらっと高く短い指は幾分低い位置で弾くのが自然ですね。
「ふって」弾いているといつまでも指が強くなりません。指の構造を考えレガートに弾いていると指の支えがしっかりし、徐々に指が強くなっていくと思います。


★エピソード
少し前のコンクール予選などで、棒弾き!に出会うことがありました。間違 いなく正しく弾いているのです。しかもかなり強い音で。でも、誰が聴いてもうまいとは思えない!?
一生懸命一つ一つの音を手首を振りながら、羅列しているので、音楽にならない[T□T]
でも本人意外と大きな音に満足している。これを知らず知らず続けると、癖になり、 結局、いつまでも指、自体は強くなりません。出ている音もつながらず美しい音にもな らず、当然、上手な演奏とは離れていく・・かなしい・・

池川 礼子(いけがわ れいこ)

武蔵野音楽大学ピアノ専攻科卒業。武田宏子氏・吉岡千賀子氏に師事。バスティン・ メッソードの講師として全国各地で講座を行う一方、地元鹿児島ではピアノ指導法研 究会を主宰。生徒育成においては、ジュニア・ジーナ・バックアゥワー国際コンクー ル第2位輩出のほか、長年にわたりピティナ・ピアノコンペティションにて高い指導 実績を全国にアピール。特に1999年度は、ピティナ全国決勝大会のソロ・デュオ・コ ンチェルト部門に計7組の生徒を進出させ、ソロF級で金賞、コンチェルト初級で優 秀賞などを受賞した。導入期から上級レベルの生徒までまんべんなく育て上げる指導 法は、全国のピアノ指導者の注目の的となっている。ピティナ正会員、コンペティシ ョン全国決勝大会審査員。ステーション育成委員会副委員長。

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