100のレッスンポイント

002.「全て自然」指も体も自然が良い

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2009/12/04
♪試してみよう
「良い手の形」をつくるうえでのポイントは「爪」です。
爪が見えないよう、注意力を持続させるため、生徒さんの爪にマニキュアを塗ってみるのはいかがでしょうか。
そのマニキュアの色が見えないように、手の形を保たせるわけです。
簡単にはがせるシールなどを、爪に貼るのも良いと思いますよ!

「いい指でないといい音は出ません」と、初めてのレッスンの時に言うことにしています。

良い指とは、何もしない自然な形。
何も意識していない時、関節の性質によって、指は、自然と内側に曲がっています。
指をまっすぐ伸ばすにも握るにも力が必要ですが、何もしない時の形が、力がはいらず、自然な良い形です。
テーブルに自然に手をのせたとき、皆、良い指の形で手を置くことができます。

ところがピアノに向かうと、指先の力が弱い小さな子は、「つめ」が見えるように、ペッタンコにして(指先が伸びた状態で)弾く場合があります。
鍵盤に当たる面積が広いと、音が出やすいと思ってしまうのでしょうか?

ゆくゆく、いろいろな音色を弾き分けるためには、いろいろな形の指で弾く場合もあります。しかしまずは指先を強くして、自分の思った音を出すための準備をしなくてはいけません。初めの段階で、音が出やすいと思ってしまい、平たく弾く癖をつけてしまうのはよくないと思います。指先に重みをかけるためには指先がしっかりとした状態、第一関節(指先の関節)が引っ込まない状態が必要です。実はその方がずっと楽に音が出ることになります。

「良い手の形」を初めにきちんと教えておきましょう。形が崩れてきたとき、「良い手かな?」の一言をかけてあげると、とりあえず、ぱっと自然な形にもどるようになります。最初に言われたことは印象に残るようです。

「良い手の形」は自分から「つめ」が見えない形です。ですから、爪が見える弾き方になってしまったときは「つめ!」と声をかけてあげると「はっ」と指先が立ちます(「つめ」ひとことで、長年苦労して教えていた「良い手の形」を、生徒たちが一斉にできた!という先生もいらっしゃいました)。常に気づかせながら、指先作りをし続けます。「良い音」のために!


池川 礼子(いけがわ れいこ)

武蔵野音楽大学ピアノ専攻科卒業。武田宏子氏・吉岡千賀子氏に師事。バスティン・ メッソードの講師として全国各地で講座を行う一方、地元鹿児島ではピアノ指導法研 究会を主宰。生徒育成においては、ジュニア・ジーナ・バックアゥワー国際コンクー ル第2位輩出のほか、長年にわたりピティナ・ピアノコンペティションにて高い指導 実績を全国にアピール。特に1999年度は、ピティナ全国決勝大会のソロ・デュオ・コ ンチェルト部門に計7組の生徒を進出させ、ソロF級で金賞、コンチェルト初級で優 秀賞などを受賞した。導入期から上級レベルの生徒までまんべんなく育て上げる指導 法は、全国のピアノ指導者の注目の的となっている。ピティナ正会員、コンペティシ ョン全国決勝大会審査員。ステーション育成委員会副委員長。

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