Vol.13-3 ステージで再演!J.S.バッハ「インヴェンション第1番」
2010/09/28
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一昔、レッスンで弾いた数々の教材の中には、思い出深い曲もある。しかし、そのまま過去の曲として置き去られ、表舞台で演奏されることは、なかなかないもの。
たとえば、バッハのインヴェンション第1番(ハ長調 BWV772/応用4~7)。ピアノを学び始めて数年後に、必ず先生から与えられる耳馴染みの曲で、バッハとの最初の出会いの曲だったという人もいるのでは。そんな誰もが辿ってきた思い出のレッスン曲を、ステップのステージやリサイタルのアンコール等で、さまざまな形で"再演"されることをご提案したい。
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中山靖子
「中山靖子先生は、伝説のピアニストW.ギーゼキングに師事した唯一の日本人です。永年にわたり日本のピアノ教育の中心的な役割を果たしてこられました。主観だけでなく作曲家の意図をくみ、様式感に根ざした演奏こそ時代が変わっても残り続ける、というのが先生の持論。2002年に演奏会「伝統と様式シリーズ」を企画されたのを契機に靖子先生自身がお書きになったのが「勉強帳」です。これまでは靖子先生門下をはじめ、ピアノ指導者を中心に作曲家の様式研究の一助として用いられてまいりました。今回ミュッセにより楽譜と一体化したスタイルで出版され、さらに読みやすく、使いやすくなりました。たくさんの方に読んでいただけることを心から願っています。」(砂原 悟)
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
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塩谷 哲
「20年ほど前、学生時代に書いた楽譜を焼き直したものです。このような対位法によってつくられた楽曲を、メロディだけを取ってハーモニーやリズムを組み替えてアレンジすることに私は興味がありません。なぜってそれでは対位法の美しさを全く無視することになりますからねぇ。で、どうせアレンジするなら、と、こんな風になりました。
演奏上の注意点は、内省を含め、メロディをよく感じること、そのメロディが極力濁らないようなペダリングを心掛けること、メロディとメロディが重なってできる、瞬間ごとの変化するハーモニーをよく味わうことです。」
演奏上の注意点は、内省を含め、メロディをよく感じること、そのメロディが極力濁らないようなペダリングを心掛けること、メロディとメロディが重なってできる、瞬間ごとの変化するハーモニーをよく味わうことです。」
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佐土原知子
丹内真弓
「4手連弾にアレンジ。軽妙なスイング・ジャズ風アレンジで、
は
で演奏します。IIパートの左手は、ウッド・ベースを思い浮かべて弾くとよいでしょう。気持ちよく4ビートにノリつつ、テーマの受け渡しと、リズムのキメをしっかり合わせて、楽しく弾いてください。付属CDの模範演奏で、スイングのノリもよくわかり、アンサンブルとしてのサウンドを確認することができます。また、カラオケ伴奏と合わせて、バンドの一員になった気分で、ゴージャズなアンサンブルもぜひ体験してください。」
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ピティナ編集部
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