Vol.12-4 ピアノのある生活(6) 23ステップ全制覇
ピティナ・ピアノステップの23ステップには、「継続と向上」という意味が込められています。ピアノステップが開始して12年、ついにその23ステップを全制覇された方が現れました。グランミューズの和田由香さん(茨城県)。継続の秘密はいつもステップアップではなく、たまにはステップダウン!?
私はパソコンが苦手で、ずっと指1本でキーボードを打っていたのですが、どうしても必要に迫られ、3年ぐらいかかって、やっと10本の指で打てるようになりました。ある日、まわりのみんなに「うまくなったね~!結構、指が動くじゃない!」と言われた時に、『そうだ、もしかしたらピアノも弾けるかも!』と思い立ち、子どもたちが使っていたピアノの本で練習してみたら、意外と弾けたんです。これが、ピアノのある生活の始まりでした。
初めてピティナ・ピアノステップに参加したのは、3年前で、はじめは1回しか参加しないつもりでした。今自分が弾ける一番難しい曲(モーツァルトのトルコ行進曲など)を選曲し、いきなり「発展3」にエントリーしましたので(!)。
その日のステップの講評の中で、アドバイザーの先生が、「ステップでは、普段の練習で弾かないような大曲や憧れの曲にチャレンジするのもいいです。でも機会があったら、ものすご~く簡単な曲をプロみたいに完璧に弾きこなす!というチャレンジも、是非してみてください。」とお話されました。それがとても印象的で、私もこのようなチャレンジをしてみたいと思うようになりました。
しかし、実際にやってみると、思った以上に難しいんです。大人だと、やさしい曲だと恥ずかしい、できるだけカッコイイ曲を披露したい、という気持ちもあります。私も小学生や、中学生と同じ曲を弾くことは、ちょっとかっこ悪いような気がしていました。でも実際には、その年代の人らしい表現があって、その人らしい演奏になることがわかってきました。
それに気づいてからは、「楽譜どおりに弾いて、『S』をもらう」から、「私はこういうふうに弾いてみたい」という目標に変わってきました。その頃から、アドバイザーの先生のコメントも、「素直な音ですね」とか「自然な感じがいいです」などのコメントをいただくことが多くなってきました。
自分の子ども2人と一緒に、連弾でも参加しました。また、子どもが学校でピアニカを習い始めたら、3人でピアニカでも参加するようにもなりました。
はじめのころは、恥ずかしくて誰にも言わずに1人でステップに参加していましたが、こうして家族で参加するようになると、子どもが「見に来てね!」とまわりに話すようになり、いとこや友達も応援に来て、みんなで楽しみに参加するようになりました。今では、姪っ子や甥っ子もピアノを習い始めて、私の連弾のパートナーになっています。
仕事でたまに車を使うのですが、なにせ住んでいるところが田舎なので、ラジオが入りにくい地区がたくさんあってとても孤独だったのですが、ピアノのCDを聴くようになりました。
出張に出かける際も、以前は駅のキオスクで雑誌を買っていたのですが、今では楽譜を1冊持っていくようになりました。楽譜は高いというイメージがあったんですが、今考えると、「オトク」ですよね。あの1冊でCD何枚もの音楽が入ってるんですから。楽譜を読むというより、とりあえず眺めているという感じですが。自宅ではピアノがあってもテレビを見ていて弾かなかったりもするのですが、出張先では、練習室を借りてまで、ピアノを弾きたくなることもありますね。