わくわくポピュラーガイド

第23回 川田千春さん

2013/03/15
課題曲アドバイス
BELIEVE(応用1)
「こどもポップス定番30」「やさしくひけるNHKテーマ曲ベストセレクション」
■楽譜:「こどもポップス定番30」「やさしくひけるNHKテーマ曲ベストセレクション」
■作曲:杉本竜一(川田千春編曲)
■販売:(株)ヤマハミュージックメディア
8beatのリズムを感じながら演奏しましょう。特に[C]からの左手のパターンは8beatの象徴的なパターンです。8分音符を弾くタイミングがずれないように気をつけましょう。
マイガール(応用2)
「オトナピアノヒットソング」「ピアノソロやさしくひけるベストヒッツスーパーBEST」
■楽譜:「オトナピアノヒットソング」「ピアノソロやさしくひけるベストヒッツスーパーBEST」
■作曲:多田慎也(川田千春編曲)
■販売:(株)ヤマハミュージックメディア
イントロ部分、[C](サビの部分)の左手4分音符の刻みは、テンポが速くなってしまいがちなので、一定のテンポをキープできるように弾きましょう。[A]は他に比べて音数が少なめです。拍数を見失わないように、頭の中でカウントをしっかりとって弾くとよいでしょう。
くまのプーさん(4手)(発展3)
JAZZアレンジで弾くディズニー連弾
■楽譜:JAZZアレンジで弾くディズニー連弾~ホール・ニュー・ワールド~(CD付)
■作曲:シャーマン兄弟(川田千春編曲)
■販売:(株)ヤマハミュージックメディア
はじめの3拍子のところは、ゆったりとした気持ちで余裕をもって演奏してください。[B]からは、ノリのよい4beatになりますが、8分音符はハネずに演奏します。音符を合わせることも大事ですが、休符のタイミングが2パートでそろっている箇所は、更に慎重に息を揃えて、無音の空間も大事にしながら弾きましょう。ペダルは3拍子以外では踏まずに演奏してください。
連載第23回は、実力派アレンジャーとしてご活躍中の、川田千春さんにお越しいただきました!
川田千春さん
川田千春さん
(作・編曲家、ポピュラーピアノ講師)

かわたちはる◎ヤマハ音楽院エレクトーン科卒業。在学中よりヤマハポピュラーピアノのアレンジャーとして活動を始める。卒業後は(財)ヤマハ音楽振興会出版部ポピュラーピアノ制作編集部を経て、現在(株)ヤマハミュージックメディア制作部にて、主に雑誌『月刊ピアノ』の楽譜部分の制作、編集他、様々なジャンルのポピュラーピアノ楽譜アレンジャーとして活動中。2012年には、世界的ジャズピアニスト小曽根真
氏初のオリジナル曲集『TIME』(全3巻、ヤマハミュージックメディア刊)の採譜を全曲(32曲)手掛ける。その他、小原孝氏曲集アレンジ、リチャードクレーダーマン曲集、ディズニー曲集、imageマッチング曲集、ビージーアデール曲集、菅野よう子作品集、ファイナルファンタジー曲集、初音ミク、ボカロ曲集など、様々なアレンジをヤマハミュージックメディアより出版。演奏活動では、ブライダルや各種イベント、様々な楽器とのDuoや歌伴奏、又自身が作編曲を手掛ける「リコーダーカルテット」での活動をスタート。指導面では現在「ヤマハミュージックアベニュー自由が丘」にてポピュラーミュージックスクールの講師として、後進の指導にも力を注いでいる。
毎年富士山をはじめ、
10以上の山に登られるとか。
全ての音を聴き分ける「耳」
─ 現在までにアレンジされた曲は1000曲を超えるそうですが、この世界に入られたきっかけは?

ヤマハ音楽院在学中に、たまたまポピュラーピアノアレンジのオーディションがあったんです。そこで認められて、アレンジャーとして活動するようになりました。それから、かれこれ20年になりますね。

─ そして昨年、世界的ジャズピアニスト、小曽根真氏初のオリジナル曲集『TIME』全3巻(32曲)の採譜という偉業を成し遂げられましたね。

お声がけいただいたのは光栄なことで、この楽譜は私の宝物となりました。当初は「CDで鳴っている音を出来るだけ再現してください」というお話だったんですね。ピアノソロ曲だけでなく、ビブラフォンやベースが入っている曲も多々あり、それを一般の方が弾けるピアノソロ譜にするのは大変でした。ただ、採譜はとても大事な作業で、アレンジだけだととかく自分の弾きグセに陥りがちなところ、人の作品を正確に書き取ることで、その方のパターンがわかってきて自分の引き出しも増え、毎回すごく勉強になっています。

─ 小曽根さんの、自由で内容の濃い演奏の全ての音をCDから聴き取り、更にコードネームを入れて、ピアノソロとして完成させるのは神業ですね。どういう手順で聴き取るのでしょうか?

CDの再生スピードは遅くせずそのままで、まずザッと横に聴いて、聴こえる音をパートごとに書いていきます。あとはコード感ですね。コードをつけたときにどう混ぜたらこのラインが作れるかと、ここではじめて縦で合わせてみるわけです。コードネームがつかないような箇所も多々あるので、そこは大分悩みましたけど。

─ このような鋭敏な耳を養うには、どのようなトレーニングをされたのですか?

子どもの頃はピアノの練習が大キライで、自分でマルを書いて「先生、この曲はもう終わりました」なんてズルをしたこともあったんですけど(笑)先生は私の「耳」を評価してくださってたんですね。練習しない私に、先生はおこづかいを渡して「アンサンブル譜を作りたいんだけど、これでレコードを買ってきて。それはあなたの財産(ギャランティ)として持っていてよいから」と、アレンジする機会をたくさん作ってくださいました。そのときに、楽器を分けて聴く作業、つまり「耳」をその楽器に合わせて、あるパートを聴くときは他の楽器はシャットアウトして聴ける「耳」が育ったのだと思います。また、いろいろな楽器の特性を知ると、「この楽器ならこうくるな」と、ある程度予想をしながら聴くことができますよね。

─ 最後に、今後の抱負をお聞かせください。

今までのアレンジ経験を生かして、ピアノと様々な楽器とのアンサンブルを広げていきたいと思っています。一昨年には"リコーダークラブ"を結成して、リコーダーカルテット&ピアノ(メロディオン)&打楽器での編成で、作・編曲、キーボードを担当しています。学校やライブハウスなどでの演奏活動を通して、リコーダーの秘めたる魅力と新たな可能性を引き出してみたい、と思っているんですよ。

─ それは楽しみですね。今後のご活動にも期待しております。本日はお忙しいところありがとうございました。

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ピティナ編集部
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