わくわくポピュラーガイド

第20回 渋谷 絵梨香さん

2012/03/16
課題曲アドバイス
『夢をかなえてドラえもん』(基礎4)
『夢をかなえてドラえもん』(基礎4)
■ 作曲:黒須克彦(渋谷絵梨香編曲)
■ 楽譜:ピアノソロ とってもやさしい アニメ~ラ♪ラ♪ラ♪スイートプリキュア♪~
■ 販売: (株)ヤマハミュージックメディア
■ 定価:1,260円(税込)
■ アドバイス:アニメ(テレビ朝日系)『ドラえもん』の主題歌。軽快なバウンスのリズムにノッて、元気よく弾んで弾きましょう。まずは歌ってみてリズムをつかむとよいでしょう。[C]は、歌心を持って落ち着いて、[D]のサビは楽しく元気に演奏してください。メロディーがクッていくところで左手がつられやすいので、片手ずつの練習をしっかりしてから合わせましょう。


『虹の彼方に(4手)』(応用3)
『虹の彼方に(4手)』(応用3)
■ 作曲:H.アーレン(渋谷絵梨香編曲)
■ 楽譜:ひとりで?みんなで!たのしく連弾 Vol.7
■ 販売:(株)ヤマハミュージックメディア
■ 定価:1,890円(税込)
■ アドバイス:1939年のミュージカル映画『オズの魔法使い』で、ジュディ・ガーランドが歌った劇中歌。イントロから[A]にかけては、降っていた雨がやんで虹がかかる様子をイメージしながら演奏してみましょう。[C]の?パートは、チェロのフレーズを弾く感じで、横の流れを大切に。お互いの音をよく聴いて、バランスに注意しながら演奏しましょう。


『はつ恋』(発展4)
『はつ恋』(発展4)
■ 作曲:福山雅治(渋谷絵梨香編曲)
■ 楽譜:ジャズアレンジセレクション~J-POPからクラシックまで~
■ 販売:(株)ヤマハミュージックメディア
■ 定価:1,890円(税込)
■ アドバイス:福山雅治の25枚目のシングル。本人出演のテレビCMソング。テンポは揺らしたりためたりはせずに、あくまでインテンポの中で表情をつけて演奏してみましょう。[A]とアドリブに入った[D]の出だしの右手の音ははっきりと。その時の左手は強調しすぎない音量で演奏しましょう。アドリブ以降はあまりぺダルを使いすぎるとベタっとした印象になってしまうので、特に右手の細かいフレーズの時などはペダルのあり・無しを工夫してみてください。


第20回は、ツボを押さえた弾き映えするアレンジで人気の渋谷絵梨香さんにお越しいただきました!(掲載:Our Music298号/2012年2月29日発行より)
渋谷 絵梨香さん
渋谷 絵梨香さん (編曲家)

しぶやえりか◎北海道鹿追町生まれ。6歳からエレクトーンを始める。ヤマハ音楽院エレクトーン科卒業。在学中から藤井英一氏にジャズピアノ、クラシックピアノを師事。卒業後よりヤマハミュージックメディアで校正業務に携わる。同時に、ホテルラウンジや各種イベント、ブライダル、ジャズヴォーカルの歌伴奏、ホテルのディナーショーの伴奏などの演奏活動も展開。特にブライダルでは800件以上の挙式を担当。現在は、ピアノ曲集のアレンジ(年間150曲以上)を中心に、曲集の校正、ブライダルプレイヤーとして活動中。現在入手できるアレンジ収載楽譜は170冊に上る。月刊ピアノにも随時アレンジを提供。「ぷりんと楽譜」収載アレンジ多数。 主な著作物:「ピアノミニアルバム コクリコ坂から」「おさえておきたい!2011年ベストヒット~総集編~」「ピアノで弾くディズニー2」(いずれもヤマハミュージックメディア刊)他多数。
好きなアーティストは、久保田利伸さん、Kis-My-Ft2。
好きな食べ物は、カレーとビール!
アレンジ三昧
─ 渋谷さんのアレンジ収載楽譜は、最近2年間だけでも170冊余りとは、すごいペースで作業されてますね。ステップのプログラムでも、よくお名前をおみかけしますよ。

皆さんに弾いていただいてうれしく思います。アレンジは、発注をいただいてはじめて締め切りと、どのような曲か、サイズやキー、レベルや内容の指定(初級なら調号2つ以内など)がわかるので、常に追われている感じはありますね。時々リポビタンを飲んで気合を入れてますが(笑)日々勉強なので苦にはなりませんね。

─ アレンジだけでなく、他の方の校正もされているのですね?

ポピュラーの世界では特に初版にミスが起こりがちなので、校正を数人で数回に分けて行います。人の譜面を数多く見ることは、やはり自分の勉強にもなりますし、皆さんに出来る限り正確な譜面をお届けできるように、アレンジとともに校正作業にも力を入れています。

─ アレンジする際には、やはり"コード"は必須となりますか?

そうですね。最初にコードを聴きとって、それを元にアレンジしていきますから。私は、幼少の頃からエレクトーンを習っていたので、初期の段階からコードも自然に習得していました。昔"明星"という雑誌に、ヒット曲のメロディー譜(コード付)が付録でついていたのですが、それに伴奏を適当につけて弾いていたのも応用力がついたと思います。

─ 海外に留学もされたとのこと、ここではどのような勉強を?

1年間の海外生活でしたので、昼間は働きながら、モントリオールのマギル大学音楽部のプライベートレッスン(クラシックピアノ)を受けました。ハンガリーの先生に週に4回、曲の解釈や歴史、国民性によるフレーズのとらえ方の違いまでとても詳しく教えていただきました。最後の学内コンサートでは、ショパンのピアノコンチェルトのオケパートを先生が弾いて、2人で演奏したのがとても良い思い出です。

─ 課題曲の「はつ恋」などのアドリブも、とても素敵で自然ですが、これはすぐ浮かぶものなのですか?どのように習得されたのですか?

アドリブは弾きながら即興で作ります。逆に時間をかけるとどんどんダメになるんですよ(笑)。 藤井英一先生に鍛えていただきましたが、学院の授業でも毎回必ず2曲くらいはお手本として先生が弾いてくださいます。そして、だんだんノッてくると15分以上アドリブされることも!その場合は、私がキーボードでベースパートを即興的に弾くこともありました。また先生は、キーがCでもG♭でもまったく変わらずアドリブをされるので、最初はびっくりしましたね。

─ アレンジの手順は?また、連弾の場合はどのように検証されるのですか?

全体の構成を考えたら、あとは最初から書いていきますが、イントロが一番時間がかかりますね。連弾は、自分で電子楽器に片パートを録音して、それに合わせて残りのパートを書いていきます。手のぶつかりなどは目で見て確認しますけれど。課題曲「虹の彼方に」は、両パートにメロディーが出てくるように配慮しましたので、どちらのパートもお楽しみいただけると思いますよ。 左記、他の課題曲のアドバイスも参考にしていただければと思います。

─ これからもタイムリーなアレンジを楽しみにしております。本日はお忙しいところありがとうございました。
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ピティナ編集部
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