第14回 安田 芙充央さん
ジャズ・ピアノ・バイブル(仮)CD付
■発売日:2010年秋頃発売予定
■ソロピアノでジャズを弾くために必要なアレンジの基本を、最短時間で習得できる本。
ピアノ・エッセンス・オブ・ジャズ VOL.2 CD付
■KMP
■定価:2,625円(税込)
ピアノ・エッセンス・オブ・ジャズ VOL.3 CD付
■KMP
■定価:2,625円(税込)
(コンポーザー/ピアニスト)
公式サイトhttp://www.fumioyasuda.com
趣味は俳句15年。吟行に海外に行かれることもあるとか。健康のために始めた自転車(ロードバイク)も早2年。 |
このシリーズ(「エッセンス・オブ・ジャズ」)は3日くらいで書いたんです。でも、これはどなたでもコツがわかればできることなんですよ。クラシックの方でアレンジに慣れていないと、こういう本をたくさん買いますよね。でも、それを弾いてしまうとネタ切れで、それ以上のレパートリーが増えない。実はこの本のレベルのアレンジは自分でできるんです。今、ものすごく早く習得できる本を書いているところです。「クラシックは弾けるけどコードがよくわからない」または「ピアノ初心者で指が思うように動かない」という方、両方の解決法は、『自分で和音を組み立てて、メロディーとコードだけで表現できる』ということを知ることですね。
とても簡単なことなんですよ。ピアノの弦の太いところでたくさん鳴らすと響きが汚い、ということさえわかれば、『下は5度か7度、3度は10度に転回』ということなんですね。スイングについても、絶対的な習得法があるのですが、これはまた別の機会にと思います。
ピアノの場合、『メロディーと気持ちのいいハーモニー付け』ができれば1曲できてしまうんですね。そこにやれスケールだ、アドリブだと入ってくると、混乱するだけでなく先に説明ありきで嫌になってしまうんですね。ピアノは、家では一人で練習するので、『ピアノソロとして成り立つサウンド』ということが重要なのです。
そもそもピアノを習い始めたのは、音大の作曲科に進もうと決めた高校2年のときです。それまでは一切特別な音楽教育は受けたことはなく、楽譜も読めない状態だったんですよ。
ジャズを始めたのは音大卒業後でして、横浜に伝説的な、日本で一番古いジャズクラブがありましてね。扉を開けるのも恐ろしいような怪しい店でね(笑)そこですっかりジャズにハマッてしまったわけです。ある日、急にピアニストが1週間くらい出られなくなり、誰でもいいから座っててくれればいい(笑)ということで、代役をやったんです。が、コードネームしか書いてなくて...見よう見真似で何とか覚えたんです。
その後中学の音楽教諭を2年、その後世界的なギターリスト、高柳昌行さんと知り合うことができて、フリージャズを10年くらいやりましたかね。
アラーキーさんとの出会いが、大きな転機でした。ここからオリジナルを書くようになったのですが、「アラキネマ・ライブ」では、スクリーンに投影された写真に、ピアノで即興的に曲をつけていくんです。DVDも20作くらい出しましたが、それを見た海外の映画監督から、曲の依頼が舞い込んだこともありました。
「チャイルド・イズ・ボーン」は、美しい3拍子のナンバーで、アレンジのポイントは2度のぶつかりです。あとは、もっと"胸キュンの響き"に変えることもできますね。セブンスの上にトライアドを乗せるとまた独特の響きになります。ペダルを活用して、よく響きを味わいながら弾いてください。「酒とバラの日々」(発展4課題曲)のようなアドリブを弾くときは、一本指で弾いてみるといいですよ。5本使ってレガートに弾くと、その延長上にはスイングはない(笑)。スタッカートでもなくレガートでもない、独特のニュアンスをつかむのに、この方法はおすすめです。
音楽を長く続けて欲しいですね。それには、表現したもの、『これが私ですよ』というものを、形にして残すといいですね。ひとつ作ると面白くなるから、次の欲が出てくる。そのうちまぐれ?で世界に通用するすごいものができるかもしれないですし(笑)。