ピアノとコーチング

第21回 ピアノ教師の基準を考えてみよう<コンピテンシーとは?>

2008/10/16
第21回

コーチの資格試験では、国際コーチ連盟が定義つけた基準があり、それを満たすことが合格基準になっています。
初めてこの「コンピテンシー」(簡単に言えば必要能力のことです)という聞きなれない言葉を聞いたとき、正直言ってめんどうくさいなあ~と思いました。
自分はもう充分に学んでいるし、頑張っていると思っていたんです。
今から考えると、それは恥ずかしいレベルでの自己満足でした。

しかし、国際コーチの資格試験を目指していた私には、全部で70項目にもよる国際基準のコンピテンシーを理解し、実践していくことが必要でした。
紙にコンピテンシーを書いた私は、肌身離さず持ち歩き、日々のセッションやレッスンの中で実践しました。 体の一部になるほど覚え込み、脳と心に沁み込むまで取り組んだのです。

その頑張りもあって、2008年春、国際コーチ連盟からプロフェッショナルコーチの資格を授与されました。
とても大きな自信につながったことを覚えています。

ピアノ界では、このようなピアノ教師としての基準はなく、先生方お一人お一人に任されています。
もし、もっと成長したいと思っていらっしゃる先生方には、ピアノ教師としての自覚や自信を深めるために、コンピテンシーを意識することをおすすめします。

下記に、コーチのコンピタンシーを「コーチ」を「ピアノ教師・指導者」に、「クライアント」を「生徒さん」に「コーチング」を「レッスン・指導」に書き換えたものをご紹介いたします。

先生方のピアノ教師としての基準のヒントになれば嬉しく思います。


第21回

◆「コーチのコンピテンシー」改めまして「ピアノ教師のコンピテンシー」

A ファンデーション(自己基盤)を確立する
・ ピアノ教師としての倫理と基準を理解し、あらゆるレッスンの状況において、それを適応する能力があること
・ ピアノ特定な状況において、どのように指導を行えばよいかを理解する能力があり、生徒さん候補や新しい生徒さんにレッスンのプロセスや、指導者と生徒さんとの関係について説明できる
B 関係をともに築く
・ お互いの尊敬と信頼を継続的に創り出すための、安全で協力的な環境をつく出す能力がある。
・ で柔軟で自信に溢れた指導法を用いることで、十分に自覚を持って生徒さんと自発的な関係を作ることが出来る
C 効果的なコミュニケーション
・ 生徒さんが言葉で表現していること、表現していないことについて完全に集中して聞くことができ、生徒さんの要望内容から言われたことの真意を理解し、生徒さんの自己表現をサポートする能力がある
・ 生徒さん自身や指導者の関係にとって、最高の利益を得られるために必要な情報を引き出す質問をすることができる
・ レッスン中に効果的なコミュニケーションを行う能力と、生徒さんにポジティブなインパクトを与える言葉を使える能力がある
D 学び、成長を得る事を促す
・ 複数の情報源を統合して正確に評価できる能力、生徒さんが気づきを得て、それによって合意に基づいた成果にいたる、というプロセスを説明できる
第21回
・ 生徒さんとともにレッスン中や、日常生活を送る上で、継続的な学習が出来るような機会を創り出すことが出来る。また、同意の上で決定したレッスンの成果へもっとも効果的にたどりつけるように生徒さんに新しい行動をおこさせることができる
・ 生徒さんと効果的なレッスンプランを創り出し、それを維持することが出来る
・ 生徒さんにとって重要な課題に意識を配る事ができ、行動を起こす責任は、生徒さんにあることを認識させることができる

国際コーチ連盟HP
日本コーチ協会HP(コーチのコンピタンシーが載っています)


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