【こどものためのJAPAN7-2】 田中カレン作曲 『地球』 中級編
2011/10/21
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田中カレンさん作曲『地球』大解剖。第3回の今回は、前回の初級編につづき、中級編(「★★」=ツェルニー30番前半ぐらい)の4曲を、音源とともにご紹介させていただきます!
ハーモニーの移ろいに・・・
前回の初級編に比べて、ハーモニー感が一層大切となる中級編。一筆書きのようにシンプルで美しいメロディーが、ハーモニーで暖かく覆われるようにして移ろっていきます。その移ろい方に、また心がジワリ・・・。どの作品も、どことなくポップな雰囲気がありつつも、何度弾いても飽きのこない奥深さがあるように思います。同時に抑える音の数が増えたり、分散和音的に細かい音が増えたりと、テクニック的にも難しくなります。
移ろいを感知する・・・!
ハーモニーの感じ方には、その人その人の感性がよく現れますね。それまでの長三和音が短三和音になったとして、物悲しさを感じる人もいれば、厳しさを感じる人もいます。ただ、何も感じないというのはもったいないですね。例えば一つ一つの臨時記号を大切に捉えることで、楽譜に書き込まれている様々な表情記号の意味も、深く理解できるようになることでしょう。難しい和声分析はできなくても、楽譜上の細やかな音の変化からハーモニーの移ろいを感知できるよう、レッスンでは促していきたいものです。
各曲ご紹介:地に根ざした作品編
以下、中級編の作品を、音源動画とともに1曲ずつご紹介させていただきます。まずは、第2番「グリーン」と第9番「大地」。両曲とも和音をふんだんに用いた作品で、地に根を張る自然の美しさが感じられます。図らずも、放射能の影響に鬱々とした日々を送る昨今・・・。私自身はこの2曲を弾きながら、震災前の日本の土壌の豊かさや、それをいつか取り戻す日のことに、ついつい想いを巡らせてしまいます。
各曲ご紹介:自然の神秘が感じられる作品編
次にご紹介するのは、第6番「オゾン」と第10番「生命の水」です。地球を覆う清らかな気体や、生命の源となる柔らかな液体・・・。どちらも分散和音をメインとした作品で、その繊細な移ろいから、自然の神秘が感じられます。ミクロあるいはマクロ的な、ちょっと超越したイメージを持って弾きたい作品です。
最終回の次回は、いよいよ上級編6曲をご紹介予定です。どうぞお楽しみに!!
ハーモニーの移ろいに・・・
前回の初級編に比べて、ハーモニー感が一層大切となる中級編。一筆書きのようにシンプルで美しいメロディーが、ハーモニーで暖かく覆われるようにして移ろっていきます。その移ろい方に、また心がジワリ・・・。どの作品も、どことなくポップな雰囲気がありつつも、何度弾いても飽きのこない奥深さがあるように思います。同時に抑える音の数が増えたり、分散和音的に細かい音が増えたりと、テクニック的にも難しくなります。
移ろいを感知する・・・!
ハーモニーの感じ方には、その人その人の感性がよく現れますね。それまでの長三和音が短三和音になったとして、物悲しさを感じる人もいれば、厳しさを感じる人もいます。ただ、何も感じないというのはもったいないですね。例えば一つ一つの臨時記号を大切に捉えることで、楽譜に書き込まれている様々な表情記号の意味も、深く理解できるようになることでしょう。難しい和声分析はできなくても、楽譜上の細やかな音の変化からハーモニーの移ろいを感知できるよう、レッスンでは促していきたいものです。
各曲ご紹介:地に根ざした作品編
以下、中級編の作品を、音源動画とともに1曲ずつご紹介させていただきます。まずは、第2番「グリーン」と第9番「大地」。両曲とも和音をふんだんに用いた作品で、地に根を張る自然の美しさが感じられます。図らずも、放射能の影響に鬱々とした日々を送る昨今・・・。私自身はこの2曲を弾きながら、震災前の日本の土壌の豊かさや、それをいつか取り戻す日のことに、ついつい想いを巡らせてしまいます。
第2番 グリーン
↓クリックすると音源動画をご覧いただけます!
「やさしい」風に緑がそよいでいるような、さわやかな作品。何気ないハーモニーの変化は、風向きの変化でしょうか・・・。中間部の裏ノリのリズムが、ポップでチャーミングです。
第9番 大地
「美しい大地と豊かな収穫を思いながら」と冒頭に記された、実に優しく暖かい作品。左手にメロディーが移る中間部は、歌い方がどうしてもぎこちなくなりがちなので、要注意です。豊かな長調の中に時々現れる短三和音が、時に物悲しく、時にどこか懐かしく感じられます。
各曲ご紹介:自然の神秘が感じられる作品編
次にご紹介するのは、第6番「オゾン」と第10番「生命の水」です。地球を覆う清らかな気体や、生命の源となる柔らかな液体・・・。どちらも分散和音をメインとした作品で、その繊細な移ろいから、自然の神秘が感じられます。ミクロあるいはマクロ的な、ちょっと超越したイメージを持って弾きたい作品です。
第6番 オゾン
思わず天空をイメージしたくなるような、田中さんらしいクリスタルな作品。和音は一つも出てきませんが、ハーモニーの中で各音を捉えると、なめらかに流れます。
左手が歌う中間部は、強弱記号と相俟って、非常に美しく感動的です。
第10番 生命の水
細かい音符や手の交差がふんだんに使われる、テクニック的にかなり難しい作品。さらにそれらを、「柔らかに」、また「軽やかに」音にするには、まさに「水」をイメージすることが重要でしょう。速い音符を、分散和音的にハーモニーとして捉えることも、「柔らか」さや「軽やか」さにつながります。
最終回の次回は、いよいよ上級編6曲をご紹介予定です。どうぞお楽しみに!!
須藤 英子(すどうえいこ)
東京芸術大学楽理科、大学院応用音楽科修了。在学中よりピアニストとして同年代作曲家の作品初演を行う一方で、美学や民族学、マネージメント等について広く学ぶ。04年、第9回JILA音楽コンクール現代音楽特別賞受賞、第6回現代音楽演奏コンクール「競楽VI」優勝、第14回朝日現代音楽賞受賞。08年、第8回オルレアン国際ピアノコンクール(フランス)にて、深見麻悠子氏への委嘱・初演作品が、日本人として初めてAndreChevillion-YvonneBonnaud作曲賞を受賞。同年、野村国際文化財団、AsianCulturalCouncilの助成を受け、ボストン・ニューヨークへ留学。09年、YouTubeSymphonyOrchestraカーネギーホール公演にゲスト出演。現在、現代音楽を中心に、幅広い活動を展開。和洋女子大学・洗足学園高校音楽科非常勤講師。
ホームページ http://eikosudoh.webcrow.jp/
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