【こどものためのJAPAN7-1】 田中カレン作曲 『地球』 初級編
2011/10/13
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前回ご紹介させていただいた田中カレンさん作曲『地球』。今日は初級編(「★」=バイエル後半&「★+」=バイエル終了ぐらい)の5曲を、音源とともに1曲ずつご紹介させていただきます!
一筆書きのような・・・
以前、田中さんにインタビューさせていただいた際、こどものための作品の作曲について、「湧き出たものを書き取るといった、一筆書きのような楽しい作業」というお話を伺いました。今回ご紹介する初級編の作品にも、一筆書きのようにシンプルで、かつ研ぎ澄まされた美しさが感じられます。とても自然なのに、心にジワリと沁みこむメロディー、そしてそこに光を当て、影を象るハーモニー。作曲というのは、やっぱりカミワザなのだ、と改めて感じずにはいられません!
目指せ、センス・アップ!
そんな素敵な作品を素敵に弾くには、演奏者にももちろん高いセンスが求められます。ただ、それがなかなか難しい・・・。幸い田中さんの楽譜には、スラーや強弱、速度などが、細やかに書き込まれています。まずはそれらを丁寧に弾き込むことで、センス・アップをはかりたいものです。加えて、同じように見えるメロディーでもハーモニーの変化に合わせて歌わせ方を変化させたり、臨時記号がついた音に少し陰影を加えたりしていけると、より生きた演奏につながりますね。
各曲ご紹介:「ジョージ」編
以下、音源動画とともに1曲ずつご紹介させていただきます。まずは、この曲集の縦軸となる「ひとりぼっちのゾウガメ ジョージ」にまつわる3曲、第4番「ジョージのつぶやき」、第8番「ジョージの歌」、そして第12番「ジョージの夢」です。田中さんご自身が前書きにも書かれているとおり、ゾウガメのジョージは、ガラパゴス諸島に現存する地球上で最後の一頭のゾウガメです。人間による乱獲等によって絶滅の危機に追い込まれたそのジョージの心が、3曲の物語となって綴られています。
各曲ご紹介:「エネルギー」編
次にご紹介するのは、「エネルギー」にまつわる2曲、第3番「太陽エネルギー」と第11番「バイオエネルギー」です。この曲集には、他にも上級レベルの第7番「風力エネルギー」が収められていますが、各々ソーラーパネルや微生物、また立ち並ぶ風車等が思い浮かびますね。どの曲からも、刻々とエネルギーが生み出されていく様子とともに、太陽やバイオ、風そのものの力が感じられる気がします。なおこの2曲は、先の「ジョージ」編よりはやや難しいテクニックが必要となっています(16分音符のアルペジオや音階、また左手のメロディーを歌わせるなど)。
次回は、中級編4曲をご紹介予定です。どうぞお楽しみに!!
一筆書きのような・・・
以前、田中さんにインタビューさせていただいた際、こどものための作品の作曲について、「湧き出たものを書き取るといった、一筆書きのような楽しい作業」というお話を伺いました。今回ご紹介する初級編の作品にも、一筆書きのようにシンプルで、かつ研ぎ澄まされた美しさが感じられます。とても自然なのに、心にジワリと沁みこむメロディー、そしてそこに光を当て、影を象るハーモニー。作曲というのは、やっぱりカミワザなのだ、と改めて感じずにはいられません!
目指せ、センス・アップ!
そんな素敵な作品を素敵に弾くには、演奏者にももちろん高いセンスが求められます。ただ、それがなかなか難しい・・・。幸い田中さんの楽譜には、スラーや強弱、速度などが、細やかに書き込まれています。まずはそれらを丁寧に弾き込むことで、センス・アップをはかりたいものです。加えて、同じように見えるメロディーでもハーモニーの変化に合わせて歌わせ方を変化させたり、臨時記号がついた音に少し陰影を加えたりしていけると、より生きた演奏につながりますね。
各曲ご紹介:「ジョージ」編
以下、音源動画とともに1曲ずつご紹介させていただきます。まずは、この曲集の縦軸となる「ひとりぼっちのゾウガメ ジョージ」にまつわる3曲、第4番「ジョージのつぶやき」、第8番「ジョージの歌」、そして第12番「ジョージの夢」です。田中さんご自身が前書きにも書かれているとおり、ゾウガメのジョージは、ガラパゴス諸島に現存する地球上で最後の一頭のゾウガメです。人間による乱獲等によって絶滅の危機に追い込まれたそのジョージの心が、3曲の物語となって綴られています。
第4番 ひとりぼっちのゾウガメ ジョージのつぶやき
↓クリックすると音源動画をご覧いただけます!
「ゆっくり優しく」、胸の内をつぶやくジョージ。臨時記号による転調ごとに、つぶやきにも気持ちが入ります。短い中にも、たくさんのメッセージが込められているような曲です。
第8番 ひとりぼっちのゾウガメ ジョージの歌
「のびやかに、自由に」歌うジョージ。大きく8小節フレーズでとらえ、その中で強弱記号を表現すると、歌いやすくなる気がします。おおらかさの裏側に、深い悲哀を感じるような曲です。
第12番 ひとりぼっちのゾウガメ ジョージの夢
冒頭、4/4拍子と3/4拍子が交互に登場し、一見難しく見えますが、大丈夫、左手は「ドソレラ」の繰り返しです!この美しいオルゴール場面の後にくるジョージの夢物語が、なんと明るく楽しいことでしょう。まさに夢のような、儚く幸せな曲です。
各曲ご紹介:「エネルギー」編
次にご紹介するのは、「エネルギー」にまつわる2曲、第3番「太陽エネルギー」と第11番「バイオエネルギー」です。この曲集には、他にも上級レベルの第7番「風力エネルギー」が収められていますが、各々ソーラーパネルや微生物、また立ち並ぶ風車等が思い浮かびますね。どの曲からも、刻々とエネルギーが生み出されていく様子とともに、太陽やバイオ、風そのものの力が感じられる気がします。なおこの2曲は、先の「ジョージ」編よりはやや難しいテクニックが必要となっています(16分音符のアルペジオや音階、また左手のメロディーを歌わせるなど)。
第3番 太陽エネルギー
「明るく楽しい」前半&後半と、雄大な中間部。朝日や夕日など、太陽の様々な姿が思い浮かぶような曲です。途中の16分音符は、強弱を丁寧に表現できると美しく聞こえるでしょう。
第11番 バイオエネルギー
冒頭、6/8拍子の伴奏型の上で、3/4拍子的なメロディーを歌わせるのが、難しくもあり楽しくもあります。途中、右手が16分音符で動き出す部分は、練習曲のようにならないよう、イメージを膨らませましょう。淡々とした営みの中に、静かで強い生物の鼓動を感じる、まさに「生き生きとした」曲です。
次回は、中級編4曲をご紹介予定です。どうぞお楽しみに!!
須藤 英子(すどうえいこ)
東京芸術大学楽理科、大学院応用音楽科修了。在学中よりピアニストとして同年代作曲家の作品初演を行う一方で、美学や民族学、マネージメント等について広く学ぶ。04年、第9回JILA音楽コンクール現代音楽特別賞受賞、第6回現代音楽演奏コンクール「競楽VI」優勝、第14回朝日現代音楽賞受賞。08年、第8回オルレアン国際ピアノコンクール(フランス)にて、深見麻悠子氏への委嘱・初演作品が、日本人として初めてAndreChevillion-YvonneBonnaud作曲賞を受賞。同年、野村国際文化財団、AsianCulturalCouncilの助成を受け、ボストン・ニューヨークへ留学。09年、YouTubeSymphonyOrchestraカーネギーホール公演にゲスト出演。現在、現代音楽を中心に、幅広い活動を展開。和洋女子大学・洗足学園高校音楽科非常勤講師。
ホームページ http://eikosudoh.webcrow.jp/
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