【こどものためのJAPAN5-3】中田喜直作曲 『こどものゆめ』 上級編
2011/04/22
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和音をしっかり掴む!
さすがに上級編!譜読み的にもテクニック的にも、そして音楽的にも、初級・中級に比べてかなり難しくなります。メロディーを美しく歌わせること、またリズムを楽しく刻むことのみならず、和音をしっかりと掴み、その色合いを表現することまで必要となるためです。速い連打和音や分散和音もふんだんに使われるので、まずは手の甲で支えをしっかりと作り、和音内の全ての音をくまなく押せるようになることが大切でしょう。
ハーモニーで色彩変化を
それがしっかりとできるようになった上で、さらにハーモニーの色彩変化を表現できれば、申し分ありません!和音が移り変わるたびに変化してゆく、微妙なハーモニーの色合い...。中田先生の作品では、やはりメロディーが命であることには変わりありませんが、その背景で変化してゆく豊かなハーモニーを、無神経に弾くのと繊細に表現するのとでは、全く違う曲に聞こえることでしょう。同じメロディーでも、和音の色彩によっては全然違った味わいになるのです!
各曲ご紹介
ハーモニーの繊細な表現には、まずはそれを感じ取るセンスが必要ですね。ただセンスというものは、残念ながら、なかなか自然に身に付くものではありませんね。その辺りは先生が、和声的な知識も活用しながら、色々な表現の仕方を弾いて示してあげることで、経験として蓄積していってもらうことが大切でしょう。
以下これまで通り、音源とともに、各曲のポイントを《メロディー》、《リズム》、《ハーモニー》に分類し、曲ごとに簡単な解説を加えさせていただきました。選曲、そしてレッスンの参考にしていただければ幸いです!
第18番 朝のうた 《ハーモニー》
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第19番 アルペジオ練習曲 《ハーモニー》
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第20番 ファゴットとフリュートの対話 《メロディー》
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第21番 ノクターン 《メロディー》
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第22番 おどりとうたと 《リズム》
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第23番 風の即興曲 《メロディー》
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第24番 演奏会用練習曲 《ハーモニー》
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須藤 英子(すどうえいこ)
東京芸術大学楽理科、大学院応用音楽科修了。在学中よりピアニストとして同年代作曲家の作品初演を行う一方で、美学や民族学、マネージメント等について広く学ぶ。04年、第9回JILA音楽コンクール現代音楽特別賞受賞、第6回現代音楽演奏コンクール「競楽VI」優勝、第14回朝日現代音楽賞受賞。08年、第8回オルレアン国際ピアノコンクール(フランス)にて、深見麻悠子氏への委嘱・初演作品が、日本人として初めてAndreChevillion-YvonneBonnaud作曲賞を受賞。同年、野村国際文化財団、AsianCulturalCouncilの助成を受け、ボストン・ニューヨークへ留学。09年、YouTubeSymphonyOrchestraカーネギーホール公演にゲスト出演。現在、現代音楽を中心に、幅広い活動を展開。和洋女子大学・洗足学園高校音楽科非常勤講師。
ホームページ http://eikosudoh.webcrow.jp/
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