ヴィルヘルム・クリューガー Wilhelm Kruger
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【参照】http://www.piano.or.jp/enc/news/2012/07/18_14529.html
Wilhelm Kruger (1820~1883) ヴィルヘルム・クリューガー
シュトゥットガルト生れ。リントパイントナー(1791-1856)に師事し、ヴュルテンブルクの宮廷ピアニストとなる。1840年代半ばからパリに出て活躍。当時パリに集っていた音楽家たちと親交を結び、オペラのパラフレーズ等を中心に約170曲のピアノ曲を出版。それらは名人芸を披露するためのものではなく、原作を尊重した堅実な内容で、独特のノスタルジックなタッチを特長とする。
プロシア戦争(1870)を機にシュトゥットガルトへ帰郷。晩年にはヘンデルの全クラヴィーア作品の校訂出版を行った。62歳で同地に没した。
O SOMMO CARLO! FINAL D'ERNANI Op.44
おお、偉大なるカルロ! エルナーニのフィナーレ
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G.ヴェルディ(1813-1901)のオペラによる編作。情熱的な序奏で、既にクリューガーの個性、ピアニズムが象徴的に提示される。1989年、私がパリの古書店の軒先で最初に発見したクリューガー作品である。出版はルモワーヌ。
SÉRÉNADE DE STRADELLA Op.118bis ストラデッラのセレナード
À Son élève Madame Caban 【♪ 試聴する(Youtubeへ)】
F.フロトウ(1812-1883)のオペラからの編作。古き良き時代を思わせる歌調である。色褪せた色調、ほのぼのとした大衆性、舞台への憧れといった要素がクリューガーの特色を思わせる。出版はショット。
GALTHEÉ,Illastration Dramatique Op.120
ガラテー、ドラマティックなイラストレーション A Son Ámi Laurene Barra
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F.マッセ(1822-1844)のオペラより。「イラストレーション」はオペラなどの主要テーマを自在に用いて作品を再構成したもの。バレエのステージを想起させる優雅なショーピースである。グリュ(Grus)社から出版された。
DOUCE ,SOUVENANCE, Andante nocturne Op. 130
やさしい思い出 A Mosieur A. Borre
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全くのオリジナル作品である。シンプルなメロディが繰り返されながらも、変容し、充実した無い西部が音楽的な厚み、豊かさを与えている。 ショット社刊。
作曲家、ピアニスト、研究家。1959年、石川県金沢生まれ。70年から74年までピアノを宮沢明子氏に師事。
15歳で渡仏、パリに学ぶ。作曲を独学で学び、ピアノのレッスンに並行して広範囲にわたる作曲家の研究に取り組む。78年、知られざる名作を日本に紹介すべく帰国、研鑽を重ね、現在200人の音楽家を対象として研究、演奏を行っている。
第7回ラ・ロシュル国際コンクール第2位(1位なし)、第1回現代音楽コンクール審査委員長(故・園田高弘氏)奨励賞、第3回村松賞大賞、金沢市文化活動賞、石川テレビ賞ほかを受賞。エピックソニーよりアルカン選集全8巻、自作アルバムを発表。