ハイドンの世界

第21回 ソナタ第9番 Hob.XVI/4 二長調

2007/07/29
SONATA No.9 Hob.XVI/4 (Moderato)-Menuet-Trio D:

ハイドンの初期の作品の中では、聴かれる機会の多いニ長調の小さなソナタです。音符の数が少なく、単純なメロディーと伴奏でここまで愛らしい雰囲気が曲全体を包んでいることに、私は弾くたび感動してしまいます。1楽章は、展開部でイ長調になったあと、ロ短調に転調しますが、再びテーマがもどってきたあとは、2・3楽章全てをニ長調でまとめています。

ハイドン・ひとことメモ
「第21回 ハイドンのクラヴィーア・ソナタ ─鍵盤楽器について─」
ハイドンのソナタは長調で書かれたものが多いですが、その割合は果たしてどれくらいなのでしょうか。断片のみ残っているものや、消失したものも含めて数え、さらに重複して数えられているものは左側の数字(全65曲)で、消失・断片のみ以外で調査したものは(全52曲)、カッコ中の数字です。

長調 短調
ニ長調
ハ長調
変ホ長調
ト長調
イ長調
変ロ長調
ヘ長調
ホ長調
変イ長調
ロ長調
10(9)
10(8)
9(7)
7(7)
6(4)
5(3)
4(3)
3(3)
2(2)
1(0)
ホ短調
ハ短調
ロ短調
ト短調
嬰ハ短調
ニ短調
3(2)
1(1)
1(1)
1(1)
1(1)
1(0)
やはり圧倒的に長調で書かれたものが多いです。ハイドンの生きた時代は、宮廷に捧げる音楽がほとんどでしたので、きっと明るい曲が多いのでしょう。交響曲や弦楽四重奏等においても同じ事が言えますが、それはまたひとことメモで、追々書いていきます。
ソナタ第9番 Hob.XVI/4

第1楽章 ♪試聴 
第2楽章 ♪試聴 

前山 仁美(まえやまひとみ)

1987年3月22日生まれ。
1996年 ピティナ・ピアノコンペティションB級奨励賞。1998年 第15回教育連盟ピアノオーディションA部門入賞、同入賞者演奏会出演。2000年 ピティナ・ピアノコンペティションD級銅賞。2001年 第17回かながわ音楽コンクールユースピアノ部門中学生の部第1位、総合第2位、神奈川新聞社社長賞受賞。トップコンサートにて神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共演。2003年 第1回カワイ主催ロシアン・ピアノスクール in 東京受講、受講生選抜公開演奏会出演。2004年 第5回ショパン国際ピアノコンクール in Asia、アジア大会奨励賞。第9回浜松国際ピアノアカデミー受講。ピティナ・ピアノコンペティションG級金賞、併せて東京都知事賞、讀賣新聞社賞、ヒノキ賞、王子賞、洗足学園前田賞受賞。第2回カワイ主催ロシアン・ピアノスクール in 東京受講、受講生選抜公開演奏会出演。2005年 フランスのMoulin d'Andeにて行われたマスタークラス受講。アメリカにて行われたジーナ・バックアゥワー国際ピアノコンペティションYoung Artist部門第6位。第3回カワイ主催ロシアン・ピアノスクール in 東京受講、受講生選抜公開演奏会出演。
2006年 ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、聴衆賞受賞。併せて文部科学大臣賞、讀賣新聞社賞、ミキモト賞、王子賞、三菱鉛筆賞受賞。

幼少の頃より現在に至るまで江口文子氏に師事。モスクワ音楽院にて、パーヴェル・ネルセシアン教授に師事。これまでに、佐藤俊、日比谷友妃子の各氏に師事。

ハイドンの世界:http://j-haydn.blogspot.jp/

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