第05回 フルート時計のための作品によるアレグレット Hob.XVII:10
この曲は「フルート時計のための作品によるアレグレット」というタイトルで、18世紀に発明されたフルート時計がモチーフとなっており、モーツァルトやベートーヴェンもフルート時計のための作品を残しています。35小節しかない規模の小さな曲ですが、ハイドンらしいドラマ性に溢れています。随所で聴こえてくる装飾音がとても愛らしく、弾いていてとても楽しい曲です。
ハイドンに兄弟がたくさんいたのは前回のメモで書きましたが、その中でもハイドンより5歳年下の弟のミヒャエル(1737-1806)は、音楽家として様々な方面で活躍しました。ヨーゼフと同じくローラウに生まれ、幼少の頃は兄のあとにしたがってウィーンのシュテファン大聖堂に入り、聖歌隊として歌う傍ら、ピアノやオルガン、ヴァイオリンを学びました。その後はモーツァルト同様、ザルツブルクの宮廷楽団のコンサートマスターを務めながら、作曲活動にも積極的に取り組み、オペラやジングシュピール、数多くのドイツ語による盛儀ミサ、声楽曲やリート、器楽曲まで、様々な種類の作品を書きました。現在はほとんど演奏される機会がありませんが、モーツァルトはミヒャエルについて「まことにすぐれた対位法作曲家」と評しました。
アレグレット Hob.XVII/10 mp3(1m20s) |
1987年3月22日生まれ。
1996年 ピティナ・ピアノコンペティションB級奨励賞。1998年 第15回教育連盟ピアノオーディションA部門入賞、同入賞者演奏会出演。2000年 ピティナ・ピアノコンペティションD級銅賞。2001年 第17回かながわ音楽コンクールユースピアノ部門中学生の部第1位、総合第2位、神奈川新聞社社長賞受賞。トップコンサートにて神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共演。2003年 第1回カワイ主催ロシアン・ピアノスクール in 東京受講、受講生選抜公開演奏会出演。2004年 第5回ショパン国際ピアノコンクール in Asia、アジア大会奨励賞。第9回浜松国際ピアノアカデミー受講。ピティナ・ピアノコンペティションG級金賞、併せて東京都知事賞、讀賣新聞社賞、ヒノキ賞、王子賞、洗足学園前田賞受賞。第2回カワイ主催ロシアン・ピアノスクール in 東京受講、受講生選抜公開演奏会出演。2005年 フランスのMoulin d'Andeにて行われたマスタークラス受講。アメリカにて行われたジーナ・バックアゥワー国際ピアノコンペティションYoung Artist部門第6位。第3回カワイ主催ロシアン・ピアノスクール in 東京受講、受講生選抜公開演奏会出演。
2006年 ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、聴衆賞受賞。併せて文部科学大臣賞、讀賣新聞社賞、ミキモト賞、王子賞、三菱鉛筆賞受賞。
幼少の頃より現在に至るまで江口文子氏に師事。モスクワ音楽院にて、パーヴェル・ネルセシアン教授に師事。これまでに、佐藤俊、日比谷友妃子の各氏に師事。