挑戦の中でこそ出会える喜び

2025/03/27 執筆:専務理事 福田成康

4月1日から、いよいよ第49回ピティナ・ピアノコンペティションの申し込みが始まります。

先週末の入賞者記念コンサートでは、特級グランプリと、はじめの一歩を踏み出した子どもたちが、同じ舞台で演奏しました。それぞれの姿から、未来は遠い別世界ではなく、自分の延長線上にあることに気づかされます。

そして、限られた鍵盤と自分の身体だけで多彩な世界が表現できることに、あらためて驚きました。そうした世界に触れるには、ただ弾くばかりでなく様々なアプローチの学び?総合的学習?による試行錯誤が欠かせません。挑戦の中にこそ、ピアノの表現の可能性や、ピアノと対話する喜びがあります。

夏に向けて、ぜひその扉を開いてみてください。

楽器店と育てる楽器演奏の文化

2025/03/19 執筆:専務理事 福田成康

これまで欧米の音楽教育団体や音楽大学の様子を見聞してきましたが、日本のように楽器店・楽器メーカーと指導者団体(ピティナ)が連携し、音楽文化の発展と「需要創造」を行うケースは珍しいようです。世界的なピアノメーカーの努力、全国に広がる楽器店のネットワーク、そして熱心なピアノ指導者・学習者が一体となって、日本のピアノ文化を支えています。

今回の記事では、かつて「ピティナっ子」だった楽器店社員の方々が「課題曲聴き比べ」やピアノ試弾イベントの演奏者となられたり、コンクールを題材とした指導者交流会を実施されたりする様子を紹介しています。各店舗や拠点でそれぞれに工夫を凝らしたイベントが準備されています。

ぜひ指導や学習にご活用ください。

公開録音コンサートの企画提案募集

2025/03/13 執筆:専務理事 福田成康

公開録音コンサートは2025年で15周年を迎えました。ピアノ曲事典で聴ける曲を増やすべく収録を始めたシリーズで、公演回数は300回を超えています。

当初、入場料は聴衆が自由に決める方式を採用し、その総額に応じてピアニストへ謝礼をお渡ししていました。「聴衆が育てる」という考え方を大切にし、演奏者、聴衆、事典利用者が一体となって、この事典を作ることを意識してきました。

また、ピティナ発足当初の目的である「日本人作品の普及」に向けた情報整備も進めています。この活動には公益財団法人ローム ミュージック ファンデーションの助成を受けています。事典の公益的価値が高まり、音楽を通じた社会貢献の輪も広がっています。

このたびは企画提案を募集します。出演者の自薦・他薦も含めた諸々のアイデアをお書きいただけます。ともにこの事典をかたちづくる一員になっていただければ幸いです。

指導者ライセンス全級合格者に学ぶリスキリングの意義

2025/03/06 執筆:専務理事 福田成康

学び続けるピアノ指導者を応援する「指導者ライセンス」。
その全級合格者を称える表彰式をコンペ課題曲説明会の会場で開催しました。

式では、指導者育成委員長の金子勝子先生が「合格はゴールではなく、新たな学びの出発点」と語り、成長し続けることの大切さを強調しました。ピアノの先生は長く続けられる仕事ですが、日本では社会人向けの音大の大学院が少なく、学び直す機会が限られています。今後、指導者やそれを目指す方が研鑽を積める環境を広げ、音大とも連携しながら指導者ライセンスの活用を促進したいと考えています。

ピティナは指導者の成長を支えることで、音楽文化の発展に貢献することを使命としています。表彰を受けた皆様のさらなる活躍を、心より願っています。

コンペティション参加要項、まもなく公開

2025/02/27 執筆:専務理事 福田成康

いよいよ3月1日に2025年度コンペティション課題曲が公開されます。

ピティナ・ピアノコンペティションは「本番力」や「継続力」を磨き、人前で演奏する喜びを育む場です。課題曲にじっくり取り組むことは、過去の作曲家や演奏家が重ねてきた豊かな音楽文化を知るチャンスです。自分なりのアプローチで音楽に接し、その楽しさを多くの人と共有できるのが魅力です。

また、幼児からシニアまで参加する国内最大級のイベントですから、同じ目標を掲げて切磋琢磨する仲間に会えることも大きな励みとなるでしょう。コンペへの参加は音楽的な基礎力の向上にとどまらず、人間的な成長をうながし、人生の転機ともなりうるはずです。

もし参加を迷っているなら、まずは一歩を踏み出してみませんか。先生や家族、仲間とともに音楽へ深く向き合う時間は、きっと未来へつながる大きな一歩になると信じています。

参加するコンクールを選べる時代

2025/02/20 執筆:専務理事 福田成康

日常生活のなかで、私たちは無意識のうちに互いを評価し合っていますが、それが明確なフィードバックとして返ってくる機会は多くありません。それが受けられるピアノコンクールは貴重な場です。

一人でステージに立つには大きな勇気が必要です。しかし、その挑戦から得られる経験は、精神的な回復力(レジリエンス)を育む力となります。評価が高ければ自信につながり、思い通りの結果が出なくても、その悔しさをバネに努力を重ねる原動力が生まれます。

ピティナでは、初心者向けの提携コンクールから、国際コンクール入賞者を輩出している「特級」まで、幅広いレベルに応じた舞台を用意しています。指導者の皆さまには、生徒さんの成長段階に合わせて最適なコンクールをお選びいただき、子どもたちが貴重な学びと成長の機会を得られるよう、ぜひご活用ください。

交流できるeラーニング

2025/02/13 執筆:専務理事 福田成康

今は多くのピアノ指導者向けセミナーがeラーニングで受講できるので、好きな時間・場所で学べます。しかし、セミナーの醍醐味だった受講者同士や講師との交流が昔より少なくなったと感じる方は多いかもしれません。

ピティナ・eラーニングでは、講座ごとにレポートを提出できる仕組みを導入し、2024年には419件ものレポートが寄せられました。講師からのフィードバックが得られる場合もあり、より深い学びにつながっています。今回の特集では、講師と受講者の視点からeラーニングの活用事例を紹介します。

3月からはコンペ課題曲のコンテンツを充実させる予定です。2025年も、eラーニングをフル活用して、学びの可能性を広げていきましょう。

調律師とのパートナーシップ

2025/02/06 執筆:専務理事 福田成康

2017年に発足したピティナ「調律会員」制度には、現在約60名の調律師の方々が所属されています。

「良いピアノ」とは何かを考え、より良い音楽をするための楽器を手にすることは、ピアノに関わる全ての方の重要な課題です。調律師の方々はこの課題に取り組むための大切なパートナーです。この連携を深めるため、現在、調律・調整に関する様々なエピソードを募集するアンケートを実施しています。

また、日本ピアノ調律師協会関東支部との共催企画「調律師×ピアニスト徹底対談」は6回目を迎えました。今回のテーマは「コミュニケーション」です。調律師は技術者、ピアニストは表現者です。それそれ意図を伝え合い、より良いピアノの音づくりを実現するため、専門用語や伝わりやすい表現、ふまえておくべき整備の勘所について考えます。

調律師の方々との対話が、実り多いものになることを願っています。

グランミューズ部門 2025年度要項公開と2024年度振り返り

2025/01/30 執筆:専務理事 福田成康

1990年に大人の愛好家のための部門(当初は「シニア部門」)としてスタートしたグランミューズ部門は、35年の歴史があります。現在では「自由曲で参加できるコンクール」として広く親しまれ、年々参加者が増えています。

過去のデータによると、入賞者の多くは同カテゴリーへ平均4回ほどの挑戦を経て受賞に至っています。グランミューズ部門は、自己研鑽の成果を示す機会であると同時に、今まで知らなかった新しい曲との出会い、同世代のピアノ仲間との交流など、参加すること自体が豊かな音楽経験へとつながっていることがうかがえます。

2月下旬にはグランミューズ部門の入賞者記念コンサートが開催されます。出演する方はもちろん、ピアノを愛好する方に広く楽しんでいただきたいハレの場です。グランミューズ部門への参加が、皆様にとってかけがえのない経験となることを願っております。

皆で作り上げるステップ

2025/01/23 執筆:専務理事 福田成康

継続表彰キーホルダーのリニューアルは、参加者の方々へのアンケートに書かれたご意見から生まれたものです。

刷新にあたり、変更そのものの是非やデザインなど、全国各地にあるステーション・支部の皆さんから300件を超える回答をいただきました。今回のリニューアルは、本部事務局だけでなく、開催事務局や参加者の皆様と一緒に作り上げている、ステップらしさの表れだと感じます。

全国各地で開催されるステップには、それぞれの地域ならではの特色があります。それらの独自性が、音楽を通じた学びを多様なものとし、可能性を広げています。これからも開催事務局や参加者の皆様と知恵を出し合い、豊かな音楽体験の場を作ります。

自治体連携のレポート

2025/01/16 執筆:専務理事 福田成康

ピティナは、全国各地の会員・支部・ステーションを通じて、地方自治体や学校と連携し、多くのプロジェクトを展開しています。

自治体を表敬訪問した際には、首長や職員の皆様から、音楽活動の充実や入賞者の活躍を称賛されるだけでなく、「喜びを共有してくれてありがとう」と感謝の言葉をいただくこともあります。我々にとっても、自分たちの活動を一緒に誇りに思っていただけることは大きな励みとなり、さらなる貢献意識を喚起するきっかけになっています。

今週のトップニュースでは、学校クラスコンサートや表敬訪問を中心に、2024年の各地での連携事例をまとめました。自治体や学校と協力することで、「一人一人の活動」が「みんなの喜び」へと変わり、地域の音楽文化をより豊かにすることができます。さらに推進すべく、各地の事例や新たなアイデアをお待ちしています。

スタッフも楽しむステップの魅力

2025/01/09 執筆:専務理事 福田成康

ピティナ・ピアノステップの舞台裏を多くの方が支えています。運営を担う「ステーション」は、地域の音楽教育を盛り上げたいという思いを持つ先生方が集まっています。

ステーションメンバーやアドバイザーの中には、自ら演奏者としてステップに参加している方がいます。ステップを通して生まれたつながりをより深めたい、音楽で感謝を伝えたいと思ってくださるからです。そのような思いから、各地域のステップならではの特色が生まれます。

ステップには「はじめまして」の方も多く参加されます。どなたにも安心して楽しんでいただくため、スタッフ一同念入りに準備し、当日を迎えます。

参加者のご関係の方々はもとより、スタッフやアドバイザーも同じ応援の気持ちで会場に集まっています。ご自身のステージはもちろん、他の参加者の演奏も含め、会場のあたたかな空気感を存分に楽しんでいただければと思います。

課題曲説明会の情報公開

2024/12/19 執筆:専務理事 福田成康

経験豊かな講師陣による「コンペ課題曲説明会」を、3月3日(月)・4日(火)に開催します。多様なコンクールが実施される今だからこそ「四期を学ぶ」ピティナ・ピアノコンペティションの独自性を改めて実感しています。

浜松国際ピアノコンクールで優勝した鈴木愛美さん(2023年度特級グランプリ)は、ハイドンのソナタを審査員に激賞され、モーツァルトで室内楽賞も受賞しました。コンペではA2級から全ての級を受けてきた鈴木さんは、チェルニーを弾くのが好きだったそうです。四期をバランスよく学んできた成果ではないでしょうか。

懇親会は今年も実施します。前回は初参加の先生方も自然に交流の輪に加わり、ピアノ教育を軸とした温かなつながりが生まれました。多くの仲間と対面して知識や技術を共有することは、オンライン受講だけでは実現できない、学びの重要な要素です。

同じ志を持つ全国の仲間と集い、コンペの開幕を盛り上げましょう。

2025年年度の音楽総合力UPセミナー

2024/12/12 執筆:専務理事 福田成康

音楽総合力UPセミナーは、2025年で16年目を迎えます。ピアノはもちろん、尺八やマリンバ、音響技術など、様々な分野のスペシャリストをお招きして開催します。

本セミナーは、音楽の持つ多様な側面に光を当ててきました。音楽には、演奏する、聴く、届けるなど、様々な関わり方があります。作曲家や演奏家の思い、聴衆の経験、音楽を届ける人々の熱意--すべてが響き合って音楽が生まれます。自分から遠いように感じる講座でも、必ず新しい気づきがあるはずです。

今年度は会場とオンラインの2コースを統合し、毎回、皆様のご都合次第で受講方法を選べる形としました。実地で受ける講座の情報量は大きく異なりますし、交流からの学びも得られます。ご遠方の方も「これは」と思う講座はぜひ実地参加をご検討ください。

新入会員の皆様による「ピティナのエピソード」

2024/12/05 執筆:専務理事 福田成康

昨年12月から今年11月まで一年間のピティナ新入会員は1,445名を数え、昨年より312名増えました。多くの方々を仲間としてお迎えできたことを、心から嬉しく思います。

特筆したいのは家族会員の入会が昨年の1.5倍ということです。また、グランミューズ会員も着実に増え、その活動の場である「グランミューズサロン」は全国各地に広がりました。ピアノを学び、楽しみ、共に歩む仲間の輪が、確実に大きくなっています。

今回のトップニュースでは、新入会員の皆様による「ピティナのエピソード」を特集しています。指導法のアップデート、親子でピアノを学ぶ楽しさ、大人がステージ経験を重ねる醍醐味など、様々な体験談を紹介しています。

長年にわたり共に音楽の喜びを分かち合ってきた会員の皆様、そして新たにご入会の皆様に重ねて御礼申し上げます。なお、入会を検討中の方のためにオンライン説明会も実施しています。皆様のご参加を心よりお待ちしています。

「特級」を活躍の経由地点に

2024/11/28 執筆:専務理事 福田成康

先日閉幕した第12回浜松国際ピアノコンクールで、2023年度グランプリの鈴木愛美さんが日本人として初めて優勝しました。特級を巣立ったピアニストの活躍は嬉しいものです。

2025年度は特級の参加方法をリニューアルしました。これから海外を目指す方はもちろん、すでに留学して国際的な舞台で活動している方も日本での活躍の足掛かりにしていただけるよう、直近のファイナリストや国際コンクールの上位入賞者に2次予選で最大3名のシード権を作りました。また、来年のセミファイナルでは室内楽で世界屈指のトップ・オケ、ミュンヘン・フィルのメンバーとの共演機会も提供します。

特級には実地と同時配信を合わせて7,000人を超える聴衆がいます。審査会場は今後応援してくださる方との出会いの場です。中でもセミファイナル以降をコンサートとして位置づけ、出演者全員に演奏謝礼を支払います。多くのピアニストのご参加をお待ちしています。

憧れが育む音楽の心

2024/11/21 執筆:専務理事 福田成康

子どもたちの音楽への情熱を支える最も大きな力は「憧れ」です。岸和田では、地元のステーションが学校クラスコンサートを企画し、演奏会員の早田さんをはじめとする演奏家たちが、子どもたちの心にあこがれの種を蒔き続けています。

ピティナのコンペティションからは、数多くのピアニストが育ち、全国各地で演奏活動を展開しています。こうした演奏会員たちは、地域の音楽文化を支える大切な存在となっています。皆様も、ぜひピティナのネットワークを活用し、地元の演奏会員と協力して、より多くの方々に生の演奏に触れていただく機会を作ってみませんか。

そして、レッスン室もまた「憧れ」を育む場所です。指導者自身による演奏や、ピアニストの直接指導を通じて、生徒たちは「私もこんな風に弾きたい」と心を動かされるはずです。地域の活動やレッスンを通じて、みなさんへ生きた音楽が届くことを願っています。

ソロ・デュオ部門入賞者記念コンサート

2024/11/14 執筆:専務理事 福田成康

今年度もコンペティションのソロ・デュオ部門入賞者による記念コンサートを開催します。

小さなピアニストから世界で活躍することを目指す学生まで、それぞれの物語をもって出演者が集まります。コンペを通じて技術だけでなく心や音楽も深め、成長を重ねた入賞者たちが演奏を披露します。

ピアノが弾けなくとも命がなくなるようなことは滅多にありませんが、私たちが「文化」と呼ぶものは、心を豊かにし、共鳴させる力を持っています。ピアノを奏で耳を傾けることも、まさに文化的な行為の一つです。

独りで豊かな音楽を紡ぐことのできるピアノを通して、演奏者と対話を交わす時間は、何ものにも代えがたいひとときです。ぜひ会場へ足を運び、未来を担うピアニストたちに温かいエールを送ってください。

グランミューズ部門入賞者記念コンサート

2024/11/07 執筆:専務理事 福田成康

11/7(木)より、グランミューズ部門入賞者記念コンサートのチケット販売が開始されました。

コンクールはハレの場ですが、今やピアノ生活を彩る場として広く親しまれています。
グランミューズ部門のコンペティションに参加される方は、同じカテゴリーに何度も挑戦したり、継続的に参加する方が非常に多いです。

このコンサートはピアノを一生の趣味とする方々が集い、お互いに讃え合う素晴らしい場です。グランミューズ部門にご参加いただいた方はもちろん、ピアノを愛する皆様にぜひ、足を運んでいただきたいです。

来年の入賞者記念コンサートに出演するのはあなたかもしれません。

ピティナ支部活動のご案内

2024/10/31 執筆:専務理事 福田成康

ピティナには、全都道府県に計128の支部があり、指導会員の約7割が支部に所属しています。

支部活動への参加には多くのメリットがあります。例えば地域の仲間と研鑽を積むことで指導の幅が広がり、情報交換を通して成長のヒントを得ることができます。
支部主催のイベントやセミナーは、スキルアップの貴重な機会となるでしょう。

このたび、支部に所属していない会員向けに、オンライン支部説明会を企画しました。
この機会にぜひ、お近くの支部の門を叩いてみてはいかがでしょうか。新しい発見や出会いが、待っているはずです。

地域で繋がる、共に学ぶ喜びを、ピティナの支部活動を通じて実感してみませんか。

コンペ審査員の声 音楽教育の最前線から

2024/10/24 執筆:専務理事 福田成康

今夏のピティナ・ピアノコンペティションでは、844名の審査員の方々に2,007件の審査をご担当いただきました。いくつもの条件が重なる状況の中でお力添えくださった審査員の皆様に心より感謝申し上げます。

実施したアンケートでは、多くの審査員が音楽教育や指導者同士の交流に意義を感じていることが分かりました。「他の先生方の指導法に触れることで自身も成長できる」「若い演奏者たちの真摯な姿勢に刺激を受ける」といった声が寄せられています。

一方で、長時間審査の負担や平均点の上昇傾向など、課題も見えてきました。これらに対しては、時間割や採点方法の改善を検討してまいります。

コンペティションは順位付けの場というだけでなく、すべての関係者が互いに学び合う交流の機会です。今後も皆様のご意見を伺いながら、より良いコンペティションの実現に努めてまいります。「音楽がつなげる豊かな人生」のビジョンに向かって、共に歩んでいけることを嬉しく思います。

サロン型ステップ

2024/10/17 執筆:専務理事 福田成康

今年はじまった「サロン型ステップ」はアドバイザーの先生方との濃密なコミュニケーションが特徴で、既に多くの方から好評の声をいただいています。

3人のアドバイザーから手書きのコメントがもらえるステップとは異なり、サロン型はアドバイザーが2名となるのですが、口頭でコメントがもらえます。質疑応答によってより深い内容を伝えることができますし、目の前でピアノを実際に弾いて見せることもできます。

ステップはアドバイザーや地区によって大きく特色が変わります。能登半島の穴水地区では1月の地震、9月の豪雨を乗り越えて初のサロン型ステップが開催されました。災害を乗り越えた方々の強い思いがあってこそ実現したステップであり、充実した交流も相まって、あたたかい雰囲気に包まれました。

今後もサロン型は全国各地で開催予定です。たくさんの方のご参加をお待ちしています。

会報がマイページで閲覧可能に

2024/10/10 執筆:専務理事 福田成康

ピティナ・マイページ上の会員限定コンテンツとして、会報「Our Music」のバックナンバーが閲覧できるようになりました。今回公開するのは過去2年分のみですが、反響を見ながら、バックナンバーの追加や検索機能の導入を予定しています。

「Our Music」には、ピティナの事業活動や会員の皆様が長年にわたって繋いできた歴史と関係性が詰まっています。過去の会報を読むことによって、ピティナという枠組みの中で脈々と生きている多方面の繋がりを感じていただけるのではないかと思います。

あわせて会報の最新号となる『2024コンペ結果特集号』が完成しました。こちらはまず紙媒体でお届けし、マイページへは後日公開予定です。会員の方には新たなサービスをご活用いただき、未入会の方にはぜひご入会いただいて、ともにピアノ教育の歴史を紡いでいただけましたら、幸いです。

ピティナ・ピアノステップとトークコンサート

2024/10/02 執筆:専務理事 福田成康


ピティナ・ピアノステップには「参加するとメッセージがもらえるステージ」というイメージがあると思いますが、それだけではないことをご存知でしょうか。
メッセージを送るアドバイザーが参加者と同じステージで演奏するのが、ステップの「トークコンサート」です。

コロナ禍が始まった2020年には開催数がゼロになってしまいましたが、2023年度は全ステップ地区のうち約42%がトークコンサートを実施しました。ステップならではの催しが再び盛り上がっています。

コンサートの内容はアドバイザーによって様々ですが、 コンサートを通して「たくさんの人にピアノがもつ可能性の大きさに気付いてほしい」という思いは共通しています。

トークコンサートはステップの参加者だけでなく、誰でも聴くことのできる入場無料のコンサートです。
ぜひお住まいの近くのステップで、トークコンサートへ足を運んでみてください。


ピティナ・ピアノ曲事典の今

2024/09/26 執筆:専務理事 福田成康

ピティナは2002年から「ピティナ・ピアノ曲事典」を作り続けています。ピティナ会員をはじめ多くの音楽家の方々からのご寄付、そして演奏音源や動画のご提供により、発展してきました。今も過去最速のペースで拡大を続けています。お力添えに心より感謝申し上げます。

多くのピアノ指導者からは「解説文を参照する目的で使っている」という意見をいただいています。wikipediaのようにユーザー自らが作るコンテンツが隆盛ですが、ピアノ曲事典の解説文の多くには、執筆者名を明記しています。前者は最新情報を取り入れやすく、後者は信頼性が高まるという、それぞれの特長があります。

今後、マイページと連動して利用者の皆様による知見も集まるような仕組みを作る予定ですが、記名記事やピアニストの方々による演奏音源(動画)もさらに充実させます。ピアノ曲事典を広く、深く発展させたいと考えていますので、引き続きご支援をお願いいたします。

A1-F級コンプリート賞

2024/09/19 執筆:専務理事 福田成康

コンペへの継続参加を称える「A1-F級コンプリート賞」は、私にとって特に思い入れの深い賞の一つです。受賞するには通常10年にわたる挑戦が必要です。結果に左右されずに長く挑み続ける力は、ピアノの技術向上だけでなく、人間的な成長にもつながります。

ソロ部門E級に参加した後、翌年F級に進む方の継続参加率を調べたところ、これまで約25%前後だった継続率が、今年は30%以上に増加しました。これは、コンプリート賞を目指してF級まで続ける方が増えた結果だと考えており、とても嬉しく思います。

今回コンプリート賞を受賞された192名の皆さんには、この賞を一つの節目として、これからもピアノと共に豊かな人生を歩まれることを心から願っています。

海外在住会員のご活躍

2024/09/12 執筆:専務理事 福田成康

リモートでのコミュニケーション手段が一般的になり、場所や時間に縛られず、海外に拠点を置く会員の方々にお力添えいただく機会が増えてきました。海外経験を持つ方々がピティナの活動に関わることで、日本の音楽教育に多様な知見がもたらされています。

本日のトップニュースでは海外在住の会員の活動を紹介します。近年、コンペ審査員やステップのアドバイザー依頼が多くなっています。また、先日はドイツを拠点に活動されている保屋野美和先生の働きかけにより、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団メンバーによる室内楽研修会が実現しました。

国際交流をきっかけとして文化の違いに触れ、社会における自分の役割を見つめなおすことができます。ご協力いただいている会員の皆さまに深く感謝申し上げるとともに、その効果を広くお伝えしたいと思います。

各地の入賞者記念コンサートに特級ゲスト

2024/09/05 執筆:専務理事 福田成康

ピティナ・ピアノコンペティションの熱い夏を終え、大きく成長した皆さまは、それぞれの新しい目標に向かって邁進されていることと存じます。

入賞者記念コンサートでは、ピティナの各支部でコンペティションで頑張った子どもたちを讃えるステージを用意しています。その舞台には、クラウドファンディングを通じて皆様から頂いた支援により、今年の特級入賞者たちがゲストとして招かれます。温かいご支援に心より感謝申し上げます。

この入賞者コンサートは、他の学年の演奏者たちとの交流の場でもあり、競い合った仲間たちがパラレルにつながり、共に成長していく場です。また、会場に足を運んでくださる聴衆の皆さまとの新たな交流をきっかけに、さらなる飛躍が期待されます。

「演奏者は聴衆が育てる」と言われるように、入賞者たちが全国各地で多くの方々と交流を深め、大きな経験の糧となることを願っております。

特級クラウドファンディングの御礼・ご報告

2024/08/29 執筆:専務理事 福田成康

2024年度のコンペティションが無事に幕を閉じました。ご参加、ご協力いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。

コンペの象徴的である特級では4度目となるクラウドファンディングを実施し、総支援額3,650,000円、支援件数247件、達成率202%という大きな成果を上げることができました。このご支援は特級サポーターの輪を広げ、ピアノ業界のさらなる発展を後押しするものです。多くの人々からの注目とご協力により、ピアニストたちにより高いレベルの体験を提供し、聴衆の皆様へ多様な企画をお届けできたと感じています。

とはいえまだ道半ばです。これからの1年も音楽を愛する皆様とともに、より一層楽しんでいただけるには何が必要かを考え、実現してまいります。そして、来年もまた同じ場所で皆様とお会いできることを楽しみにしています。

2024コンペティション全国大会、まもなく開幕!

2024/08/08 執筆:専務理事 福田成康

全身全霊を傾けられるものがあれば人生は充実します。オリンピックの出場者たちは、想像を絶する厳しいトレーニングを行い、自らの限界に挑戦し続けています。メダルを数えるのも楽しみ方の一つですが、彼らの人生をかけた挑戦を感じられる時、心からの共感と敬意を持つことができます。

コンペティションの全国大会に出場する方々も、同じように情熱を燃やしています。それぞれの目標に向かって日々の練習に励み、技術を磨いてきました。その背景には、それぞれの人生があり、夢があります。全国大会はその集大成を表現する場です。

目標に向かって努力し、その過程で自らを成長させていくことは、私たちの人生をより豊かで、意味のあるものにしてくれるはずです。出場者の姿は、聴衆となるわれわれ自身の背中を押してくれる力強いメッセージでもあります。ぜひ多くの方に全国大会へいらして頂き、ご一緒に応援したいと思います。

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