得手/不得手、ピアノ/勉強、兼ね合いが大事
D級
渡邊さくら さん
★演奏曲目★
フォーレ:ノクターン ロ長調 Op.33-2
◆どのようにしてピアノを始められましたか?
母がピアノの先生で、家にあったグランドピアノで小さい頃から遊んでいました。その流れで、自然とレッスンに通い始めた、という感じです。
◆それはいつ頃になるのでしょうか?
4歳の頃ですね。母が、ピアノ関連の本を読んでいた時、永瀬まゆみ先生の記事を見つけたんです。こういう教室に通いたいって思って……、家からは車で往復2時間の距離だったんですけれど、通い始めました。今は電車で、往復3時間半かけて通っています。
◆往復3時間半ですか! それだけの時間をかけても通い続けたいような、魅力溢れる先生なのですね。コンペティションに出場されたのも、先生からの影響でしょうか。
そうですね、レッスンを始めて1年くらい経った頃、先生からの勧めでA2級を受けました。その前にステップもリハとして参加して。それから、毎年ピティナのコンペを目標に練習しています! 2012年度は、緊張のせいで今までしたことないようなミスをしてしまって、とても悔しくって……、「今度こそ、どんなに緊張したって失敗しないでいよう、良い演奏をしよう!」っていう気持ちで参加しました。
◆それでは今年は緊張との闘いでもあったのですね。課題曲は、どのようにして選ばれましたか?
まずは課題曲を全曲弾いてみました。そして、自分が得意なところと、これから勉強したい課題との両方が含まれている曲を選びました。今回に限らず、いつもそのようにしています。
◆なるほど、そのような選び方をされていれば、コンクールに出ることそれ自体が成長の一過程として大きく作用しますね。特にどのような練習をされましたか?
いずれの曲も、まずはその曲に沿ったお話をつくったり、イメージをふくらませたりして、頭の中で具体化します。それから今度は、それぞれのイメージが演奏で表現できるように、という順番で練習しています。永瀬教室のみんなとのリハーサル会は、自分の演奏の良いところや悪いところを確認する良い機会になりました。
◆予選前にはステップにも参加されて、リハーサルにとっての良い場としてご活用くださっていますね。
はい。続く本選までの間だと、中学の期末試験があるので、限られた時間をうまく使わないといけません。だから要点を絞って練習するようにしました。勉強もおろそかにしないよう、ピアノ練習との兼ね合いを意識しています。
◆両立することは大変ですけれど、とても大事ですね。その点、本選から決勝までは、夏休みに入られるので、ピアノ練習に集中できたのではないでしょうか?
そうですね。譜読みをまたイチから始めるような気持ちで、それぞれの曲に取り組みました。4曲を通してどのように弾くか。全体の流れを考えながら、それぞれの曲のイメージをしっかり持って、イメージする音が出せるか。イメージにどれだけ近づけるか。そのようなことを考えて練習しました。
◆イメージを強く持つことが、渡邊さんの演奏にとって何より大事なのですね。決勝大会の演奏ではイメージ通りに演奏できたのでしょうか。
去年の失敗が本当に悔しかったので、今年は、一生懸命練習してきたことが出し切れるように、という想いで弾きました。先生、そして一緒に決勝大会に出場した教室の友達が応援してくれていたので、そんなみんなへの感謝の気持ちでもって演奏できました。
◆去年の悔しさをバネに、今年は見事金賞受賞、おめでとうございます。
ありがとうございます! 表彰式で名前を呼ばれ、そして皆さんからの拍手が聞こえたときは感無量で、思わず涙ぐんでしまいました。先生もとても喜んでくださって、祝賀会で一緒に写真を撮ったり……、とても嬉しかったです。
◆そんな喜びいっぱいの中、すぐに入賞者記念コンサートの曲目を決めていただくことになりました。今回の選曲でも、得意なところと課題とが含まれたものを規準としたのでしょうか?
先生が、私にとって一番素敵に演奏できる曲、という点から選んでくださって決めました。フォーレを弾くのって、実はこれが初めてで、私にとってハードルの高い曲ではあります。でも、先生が「あなたなら」といって選んでくださった曲なので、一生懸命練習しています。曲の背景を調べたり、どういうふうに弾こうかとイメージをふくらませていくうちに、今はこの曲がとっても好きになってきました!
◆そのご様子ですと、本番までには、今よりさらに好きになっていらっしゃるのではないかと思いました。渡邊さんのイメージが詰まった演奏、楽しみにしています。
ありがとうございます! 入賞者記念コンサートも、全国大会と同じくらいの覚悟と気持ちで、それまで努力してきた成果を聴いていただけるように頑張ります。今までずっと支えてくださった先生や、教室の友達、家族への感謝の気持ちでもって、演奏したいです。
◆皆様に感謝のイメージを伝えられると良いですね。最後に、これからの目標はありますか?
コンペは毎年休まず受け続けてきたので、また来年も、全国大会出場に向けて頑張ります。それから、今まで頑張ってきたピアノの勉強をこれからも長く続けていけるように、音楽高校の受験に向けての勉強も頑張っていきます!
(取材日:2013/11/25)