時に踊り、時に描き、楽しさを音に乗せて
B級
木本侑希 さん
★演奏曲目★
ヴィラ=ロボス:三つの星
◆どのようにしてピアノを始められたのですか?
2歳になって、お母さんからリトミックを習っていたんです。それで3歳の夏休みに、お母さんとピティナ・ピアノコンペティション本選を聴きに行ったことが、ピアノを始めたきっかけでした。みんなの演奏を聴いているうちに、私もピアノを弾いてみたくなったんです。その勢いで始めました。
◆コンペをきっかけにピアノを始められたのですね。嬉しい限りです。いま習っている先生とは、どこで出会われたのでしょうか。
以前、お母さんが、ピティナのセミナーに出席したときです。石嶺先生のセミナーへ行くたびに 先生に教わりたい気持ちが強くなったと聞いています。それで、4歳になって少ししてからレッスンが始まりました。
◆こちらもピティナを通じての出会いだったんですね。侑希さんは、習い始めて早速コンペもステップも受けてくださっていますね。
はい、始めたのが1月だったので、すぐにコンペ課題曲が発表されました。
◆はい、課題曲発表は、毎年3月頭ですね。
もう、すぐに挑戦することに決めました。先生もすすめてくださいましたし、私自身、ずっと憧れていたんです!
◆本当に出たい気持ちでいっぱいだったんですね。それから毎年、コンペにご出場くださり、ありがとうございます。
私にとって、ピティナって特別な存在なんです。特にコンペは、毎年出ることをとても楽しみにしています。できれば、80歳くらいまでずーっと出続けたいくらいです!
◆80歳ですか! 特級は年齢制限もありませんので、どんどん上の級へ挑戦してもらえると嬉しいです。今年はB級にご出場くださいましたが、課題曲はどのようにして選ばれたのですか?
去年、B級でベスト賞をいただいたので、今年はB級とC級のどちらを受けようか迷いました。でも、課題曲を見たときに、どうしても「荒木千佳/軽やかなスキップで」が弾きたくなって。それで、B級を受けることにしました。課題曲はだいたい自分で選んだんですけれど、シューベルトのワルツは、先生に難しいよ、といわれたのでどうしようか迷いもありました。でも、「それでも弾きたい!」って強く思ったので、この曲に挑戦したんです。
◆課題曲をめぐって色々な悩みがあった中、最終的に好きな曲で入賞されてよかったですね。予選通過された後は、どのような練習をされたのでしょうか。
特にソナチネのスケールの練習、それから、ワルツのぺダリングの練習をたくさんしました。ワルツは、色々なペダリングのパターンを試してみて、どれが一番この曲に合うかを、先生に選んでもらいました。
◆やはり一番しっくりくるものを選ぶには、色々な表現を試す必要があるのですね。では、本選通過後は決勝に向けてどのような練習をされましたか?
今度は4曲の弾き分けがしっかりとできるような練習を心がけました。1曲1曲はうまく弾けても、ぜんぶ通して弾くと、どの時代の曲も同じ弾き方で、一本調子になってしまうんです。ピアノの練習のほかにも、バロック時代の雰囲気をつかむために、貴族のお洋服の写真や、踊りの動画を先生に見せいていただき、実際に踊ってみたりして、余韻の残るような上品な空気が出せるような練習もしました。
◆色々工夫されたのですね。確かに「バロックらしさ」とひとことで言っても、ピアノと向き合ってるだけではなかなかピンと来ないものですよね。時代ごとの弾き分けという苦労の中、見事金賞のご獲得、おめでとうございます!
ありがとうございます! 今年はミスもあったけれど、緊張せず、気持ちよく弾けました。表彰式では、私の名前が呼ばれるまでメダルをぎゅっと握りしめていました……。今までの3年間、ずっとベスト賞だったので、「今年こそは、名前を呼ばれて立つだけじゃなくて、壇上に上がりたい!」って思っていたんです。だから、やっと壇上に上がれるのが本当に嬉しくて、気づいた時には走ってました!
◆そのときの嬉しさが伝わってくるようです。念願の金賞を獲得され、入賞者記念コンサートへのご出演も決定されました。そこで演奏される曲はどのようにして決められたのでしょうか。
入賞者記念コンサートでは「ヴィラ=ロボス/三つの星」を演奏するのですが、この曲は、去年一度弾きかけたことがあって、そのときには難しくて諦めちゃった曲なんです。でも、今回の曲決めのときにもう一度聴いてみたら、とっても楽しい気持ちになれて、「やっぱりこの曲が弾きたい!」って思いました。宇宙探検をしているような気分で、楽しく練習しています。ときには紙芝居に星や宇宙人の絵を描いて、イメージを膨らませています!
◆ブラジルの作曲家(ヴィラ=ロボス)って珍しいですよね。宇宙をイメージされた演奏がとても楽しみになってまいりました。
短い曲ですが 皆さんに面白い曲だなって思ってもらえる演奏になるように、一生懸命頑張ります!
(取材日:2013/11/19)