かつての憧れの舞台で、次に「憧れる」演奏を

A1級
先崎日和 さん

★演奏曲目★

シューマン:「ユーゲントアルバム」Op.68 より サンタクロースのおじいさん

◆ピアノを始められたきっかけを教えてください。

4歳上のお兄ちゃんがピアノを弾いていたのを見て、「私もやりたい!」と言ったのがきっかけです。2歳の時にリトミックのレッスンに通い始めて、そこから自然とピアノを弾くようになりました。

◆まずリトミックからピアノに入られる方は、ますます増えているようです。先崎さんは、4歳(2011年度)から、3年連続でコンペティションに参加してくれていますが、ピアノを始めてすぐにコンペに出られたということでしょうか。

はい、レッスン受け始めて間もなくA2級に出てみました。その年は本選で奨励賞でしたが、トロフィーが無くて賞状だけでした。それが悔しくて会場で大泣きをしてしまい……、どうしてもトロフィーを手にしたくなり、その後、本格的にコンペに向けてレッスンしてくださる角野美智子先生のレッスンに通うことになりました。お友達が角野先生のレッスンを受けていて、素晴らしい先生だと伺っていたので。

◆ピアノを始めた時からずっと、コンペを目標に頑張ってくれているんですね!

はい! 角野先生のレッスンのおかげで、2012年度にはA2級の入賞者“記念コンサート”に出演できました。祝賀会にも参加しました。華やかなホテルの会場(※ホテルニューオータニ東京鶴の間)で、お兄さんやお姉さんたちが壇上に上がり表彰されていたのが羨ましかったです。「私もまたあの会場に行きたい! 壇上で表彰されたい!」と思い、今年はA1級で賞がいただけるように頑張りました!

◆上の級の入賞者に憧れを持たれるのが、上達の秘訣だったりするのかもしれませんね。今回、A1級の課題曲はどのようにして選ばれましたか?

角野先生が弾いてくださった曲でイメージを描き、自分でも弾いてみたりして、弾き続けたいと思える曲にしました。中でも「生田美子/あやとり」は、曲をつかむのに苦労しましたが一番自信をもって演奏できた曲です。それから「ケーラー/ポルカ」もとても勉強になった曲です。コンペが終わってからも、他の曲を弾くときに「この部分はポルカでこういうふうに弾いたよね」とよく振り返っています。

◆コンペでの演奏経験で終わってしまうのではなく、その後にもしっかりと生かされていて素晴らしいです。練習ではどのような点に気を配られましたか?

曲を深く掘り下げて、音符を素通りするのではない1音1音の「歌いかた」をたくさん練習しました。本番直前には角野先生が連日のようにみてくださり、当日に“演奏の山”が来るように引き上げてくださいます。本番当日の朝もレッスンしてくださいました。

◆当日朝までレッスンされていたのが最後の結果に繋がったのかもしれませんね。結果発表でお名前を呼ばれた時はどんな気持ちでしたか?

表彰式ではお母さんと離れて参加者席に座っていました。ひとりひとり番号が呼ばれていき、なかなか自分の番号が呼ばれないので、ドキドキして何度もお母さんのほうを振り返りました。最後に金賞の発表になって呼ばれたときは、本当にとっても嬉しかったです!

◆弾けるような喜びが目に浮かびます! おめでとうございました。結果発表の後、入賞者記念コンサートの曲目を決めていただきましたが、今回はどのようにして曲を選ばれましたか?

候補の曲の中に以前から大好きな曲があったので、「あっ、これがいい!」と決めました。この曲は、ピアノを始めた頃に「小学校1年生くらいで弾けたらいいね」と話していた曲でした。まだ年長なので少し早いですが挑戦することにしました!今はこの曲を練習するのが一番の楽しみになってます。他の曲の練習が終わるまでおあずけにして、いつもその日の練習の最後に弾いています!

◆楽しみは最後まで取っておきたいタイプなのですね。そんな先崎さんが、入賞者記念コンサートでは、トップバッターをつとめていただくことになりました。当日に向けての意気込みをお願いします。

コンペでは他の参加者のみなさんの上手な演奏を聴いて、何度も引き込まれてしまいました。だから私も、聴いている方に「楽しいな、もっと聴きたいな」と思っていただけるような演奏がしたいです。

◆ぜひコンサート当日の「第一音」を華麗に飾って下さい! それでは最後に、これからの目標を教えてください。

はい! ありがとうございます。曲のレパートリーをたくさん増やして、歌うための技術や曲を理解できる力をつけていきたいです。

(取材日:2013/11/25)

演奏動画