水谷桃子：
大変な状況の中、このような発信の場に関わらせて頂いて、音楽の役割について改めて考えています。 家族は医療の最前線で働いていますが、現場の大変さは私たちの想像を遥かに超えていると聞きます。家で音楽と向き合うことができる幸せに感謝しています。 ライブ配信は私にとって初めての経験ですが、皆様と共有できますこと、楽しみにしています。

東海林茉奈：
想像もしなかった方向に世界が進んでいる今、一人一人が何らかのストレスを抱えながら過ごしている日々だと思います。 そして大切な人たちと会うことすらも難しくなってしまい、心の繋がり合いを求めている人は多くいると思います。 そんな今だからこそ、あまり難しく考えずに、本当に自由な気持ちで純粋に音楽に身を委ねてみてほしいです。 すると、きっとどんな人でも、心が徐々に潤ってくるのを感じるのではないかなと思います。 実際、私自身も今音楽に助けられている1人です。そんな音楽の力を信じて、祈りを込めて演奏します。 音楽で皆さんと繋がれますように！

三好朝香：
新型コロナウイルスにより、多くのコンサートが延期や中止となっているなか、このような新しい形のコンサートに携わることができ光栄に思います。音楽を絶やさぬようご尽力くださいました三菱地所株式会社、PTNAの皆様 ありがとうございます。 感染症拡大によって、世界から音楽が必要とされなくなってしまうのでは...と危惧しておりました。しかし、自宅待機を続けていくうちに、音楽が我々の心を癒す手段の一つとして存在し続けている理由を、身をもって感じることが出来ました。クラシックに限らず、音楽は人の心を動かす力を持っています。この緊迫した状況下、ストレスや不安を抱えている方々も多いかと存じますが、私達の演奏で 少しでも皆様の心に寄り添えたら嬉しいです。

中川真耶加：
世界的に想像もしていなかった事態が起こり、今まで当たり前だった日常が突然奪われてしまいました。わたしも先の見えない不安にどうして良いかわからず、気が滅入ってしまう事がありました。しかしそんな時にも寄り添い、心を豊かにしてくれる音楽という存在の尊さを、今改めて感じています。ショパンの音楽には特に、ごく当たり前の日常を慈しむような作品が沢山あると思います。当日はそんなショパンの名曲と共に、皆さんと音楽を共有出来ることがとても楽しみです！

沢田 蒼梧：
僕は今医学部の4年生で、つい先週から本格的に臨床の症例検討の授業がオンラインで始まりました。今、命をかけて最前線で闘われている先輩の医師たちに改めて敬意を払うと同時に、医師という職業を目指すことに身が引き締まる思いです。僕の演奏で皆様のおうち時間が少しでも楽しいものになれば嬉しいです。

角野隼斗：
リモートでコラボ演奏するというplaywithcateenという企画を始めましたが、今回のフェスティバルで、コーナーを設けていただき、プロの奏者の方をお呼びできることとなりました。せっかくのゴールデンウィークなのにStay homeしなければならない世の中ですが、自宅で過ごしながらも、少しでも音楽を通して皆様に楽しんでいただければと思います。

中村華子：
曲は、雅楽の古典「越天楽」（えてんらく）の冒頭です。 千年以上も前から受け継がれてきた曲で、 曲名は知らなくても、誰もがどこかで聞いたことがあるフレーズだと思います。 長い歴史の中で、疫病や戦争も潜り抜けて現代に伝えられてきたこの曲は、 文化の継承の象徴のように感じます。 どんなことがあっても芸術や文化が絶えることがないように、願いをこめて演奏します。 角野隼斗（すみの　はやと）さんがこの雅楽の古典からどんなピアノの音色を引き出すか楽しみです。

今回初めて行なったリモートアンサンブルについてや、近況などをお話しできたらと思います。

浅原由香：
ウィルスが世界中に蔓延するというこれまで経験したことのない状況ではありますが、様々な形で演奏会を実現しようと多くの方が動いてくださっています。今はインターネットを通じて、どこにいても誰とでも繋がることのできる時代です。私たちの日本のみならず、世界中の人々の生活から音楽を失くさないために、今できることを精一杯取り組んでいきましょう！

片山柊：
今はどの業界・職種も厳しく大変な状況にあります。やるせない日々が続きますが、また皆んなで集まり音楽を共有できる日を待ち望み健やかに過ごしましょう！

吉田絵奈：
今、コンサートなどが出来ない状況の中で、このような動画配信のお話を頂き、とても嬉しく思います。 かてぃんとの動画セッションとても嬉しいです。 かてぃんさんにぜひ私のオリジナル曲にピアノを付けて欲しいと思い、ノリの良い曲の「ジャルジー」というオリジナル曲にしました。楽器は、東日本大震災の被災松鍵盤ハーモニカを使用しました。 メロディーが始まってから息継ぎ出来る場所がなく、循環呼吸を使って演奏しています。 今回の動画を作るのに、2日で10時間以上吹きましたが、その時間がすごく楽しくてずっと幸せな時間でした。
今このような状況になり、当たり前だと思っていた事が、実は奇跡だったんだと思い知らせています。今目の前にある幸せを大事にしたいです。 そして、どんな状況でも音は鳴らし続けていきたいです。 おうちで過ごす時間の中で、気持ちが沈んでしまう事もあるかもしれませんが、音楽で少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。　

水谷晃 僕の場合、最後に会場のお客様の前で弾いた演奏会は2月20日でした。それ以降、自宅で一人で音楽と向き合う日々...。そのような中、この音楽祭は久しぶりにお客様と繋がる時間です。たとえ目の前にいらっしゃらなくても、この画面の先で繋がっているという意識があるだけで、演奏会の時のような気持ちの高揚があり、嬉しいです。

メッセージ
人間はこれまでいろんな困難に直面し、その都度、対応しながら乗り越えてきました。それは希望を持ち、前を向いて歩んだからです。現状を冷静に見つつ「with?コロナ」の時代に考えを巡らす時にきていると思います。今までの価値観や当たり前のように享受してきたものを捨てなければならないかもしれない。

これからについて
コロナが終息するまで演奏会はいろんな形を模索することになるでしょう。しかし、どんな形であれ、音楽の目的はメッセージと時間を共有することです。更に言えば、今、生きていることを実感するためのものです。この時間、皆様と音楽を分かち合い、音楽で繋がることで「おうちで過ごす」時間が少しでも変化したり、心が動くならば、音楽を仕事にする人間としてこれ以上の喜びはありません！

赤松林太郎：
日常の生活が当たり前のことではなくなり、昨日の世界が終わったのを感じます。家から出ることに危険が伴い、触れ合いや温もりが遠い存在になってしまっています。越境も難しく、ヨーロッパの往復はおろか、国内の移動も控えている中、家の至るところに飾ってある絵画や世界中を旅して求めた民芸品が心を癒してくれています。 今回はクロアキ（黒田亜樹さん）とリモートアンサンブルで出演いたします。ミラノの厳しい状況をかいくぐって帰国した彼女と、お互いの想いを反映させた作品を選びました。作品を介して伝わってくる呼吸や感情の揺れを感じるだけで、時代に翻弄されながらも逞しく生き抜いた作曲家が現れ、私たちも強く生きていかなければと勇気づけられる思いです。音楽はやはり弱い者に働きかける尊い存在です。心を合わせてお聴きいただければ幸いです。